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- 科名・属名 : フトモモ科 フトモモ属
- 特徴 :
高さ3〜4m(高木では15m)の常緑小高木。
幹の太いものは径30cmになり、樹皮は赤褐色。小枝は細く、四角形。
葉は対生、葉身は楕円形〜長楕円形、長さ1.5〜5cm、幅1〜2.5cm。先は円頭〜鈍頭、基部はくさび形、全縁。質は革質、裏面には腺点があり、縁と平行に脈が走り、側脈は縁に達せず目立たない。葉柄は2〜5mm。
花は枝先や葉腋に長さ2〜4cmの円錐状の集散花序となり、長さ6〜9mm、径約3mm程度の花を小数つけ、基部に小苞がある。花弁は4個で白色、広卵形〜ほぼ円形、長さ約2mm、早落性で開花とほぼ同時に落ちる。萼筒は倒円錐形で長さ3〜4mm、萼裂片はごく低い4歯があり、長さ0.5mm以下、幅約1.5mm。雄しべは多数、長さ3〜5mm、萼筒の上縁につく。
果実(液果)は球形で基部に萼が宿存し、長さ7〜10mm、径6〜10mm、11〜12月に紫褐色に熟す。種子は1個入り、ほぼ球形で径5〜6mm。
- 分布・生育地 :
九州(南部)〜沖縄 (国外:中国(南部)、台湾、ベトナム) 日当たりのいいやや乾燥した林縁
- 花期 : 5〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2015年10月6日 沖縄県伊是名島 中上・全体2 2023年7月19日 鹿児島県奄美大島 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 同 上 左下・花 2015年10月6日 沖縄県伊是名島 右上・葉1 2023年7月19日 鹿児島県奄美大島 右下・葉2 2015年10月6日 沖縄県伊是名島
- 撮影記 :
沖縄島の北部にある伊是名島、秋に咲く花に出会うため、初めて訪れた。
沖縄でも大きな島は羽田からの直行便や県内の航空便があり、比較的容易に訪れることができるが、船の便しかない島はなかなか訪れる機会がない。
何とか目的の花を撮影し、道路まで戻ると、林縁にこの花が咲いていた。花期ではないらしくわずかの花が咲き残っていただけだった。
本来は初夏の花のようで、本来ならこの時期は紫褐色の果実が見られるはずだが、まだ熟した果実は見られなかった。
九州南部(北限は宮崎県日向市)まで分布し、南西諸島では比較的普通に分布しているようだが、残念ながら他では出会っていない。
和名の由来は不明だが、材は極めて硬く、床柱、器具の柄などに使われるようだ。
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