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- 科名・属名 : フウチョウソウ科 ギョボク属
注.APG分類では、ギョボク属は(Crateva)、本種の学名は(Crateva formosensis)
- 特徴 :
高さ7〜15mの落葉高木。
よく分枝し、若い枝は灰褐色、無毛で、後に長楕円形〜円形の皮目ができる。
葉は互生、3出複葉で、葉柄は長さ5〜12cm。小葉は楕円形〜長楕円形、長さ7〜16cm。先は鋭尖形、基部はくさび形で全縁。極短い葉柄がある。側小葉は左右がやや非相称。
花は枝先に散房花序になり、集まってつく。花柄は長さ3〜4cm。花弁は4個、卵形〜楕円形で先は鋭形、初め白色で後黄色に変わり、長さ1〜1.5cm、爪があり、長さ3〜5mm。萼片は4個、長楕円形で先は鋭形、緑色で、長さ約3mm。雄しべは多数、花糸は細長く、長さ1.5〜4cm、葯は底着、長さ約2.5mm、縦に裂ける。雌しべは花時には長さ約2.5mmになる長い柄があり、狭卵形で、花柱はごく短く、先が盤状になり、2浅裂する。
果実(液果)卵円形、長さ3〜4cm、外果皮は木質で多少ざらつき、紅色で白色の点が散在する。果柄は長さ6〜8cmと長い。種子は数個、卵円形で、長さ葯1mm。
- 分布・生育地 :
九州(大隈、薩摩半島)〜沖縄 (国外:中国(南部)、台湾、東南アジア、インド、アフリカ、オーストラリア) 沿海地の林内
- 花期 : 5〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2012年6月10日 沖縄県西表島 中上・全体2 2012年6月9日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 同 上 左下・ツマベニ 2015年12月15日 沖縄県石垣島 右下・葉 2012年6月10日 沖縄県西表島
- 撮影記 :
この木の名前は小学生の頃から知っていた。というのもツマベニチョウ(左下の写真)という白地で羽根の先がオレンジ色の美しい蝶の食草だったからだ。
鹿児島県から南にしか分布していない蝶で、図鑑を見てはその飛んでいる姿を想像し、いつか見たい捕まえたいと思っていた。
初めて飛んでいる姿を目にしたのは奄美大島で、その大きさとモンシロチョウの仲間にもかかわらず力強い飛び方をするのに感動した。
ギョボク(魚木)という和名は、この木の材が軽くて柔らかいため、イカ釣り用の餌木として用いられたことからつけられているそうだ。
ツマベニチョウの飛んでいる姿を見かけるほどには、この木には出会うことは少ない。
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