ヌノマオ(布苧麻)

Pipturus arborescens


ヌノマオ1(雌株)


  • 科名・属名 : イラクサ科 ヌノマオ属

  • 特徴 :
     高さ3〜5mの常緑低木。
     枝は多数枝分かれし叢生する。
     葉は互生し、卵形で7〜18cm、幅3〜6cm。先は尖り、基部は鈍形〜広いくさび形、縁には細かい鋸歯がある。表面は緑色で光沢があり、裏面は銀白色の綿毛が密生する。葉柄は長さ2〜6cm、白色の伏毛が生える。
     花は雌雄異株で、葉や葉痕の周りに小さな花が集まってつく。雄花序も雌花序も柄はなく、雌花の花被片は合着し、白い糸状の花柱が外に伸びる。
     果実(痩果)は肉質化した白い花被に包まれた集合果になり、径1.2〜1.5cm。
     別名 オオイワガネ

  • 分布・生育地 :
     沖縄(本島、八重山諸島) (国外:台湾、フィリピン、ボルネオ)
     林縁

  • 花期 :  12〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1(雌株) 2012年9月1日  沖縄県西表島
     中上・全体2(雄株) 2017年4月9日  沖縄県石垣島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・雌花序 2012年9月1日  沖縄県西表島
     中下・雄花序 2017年4月9日  沖縄県石垣島
     左下・果実 2012年9月1日  沖縄県西表島
     右上・葉(表) 2017年4月9日  沖縄県石垣島
     右下・葉(裏) 2022年4月15日    同  上

  • 撮影記 :
     沖縄八重山諸島の林道脇などで見かける、何となくがさつな感じのする低木だ。
     枝に小さな花がくっつく目立たない花であるが、それでも雌株は葉腋に糸状の花柱が四方に伸び、白い塊状の果実も目を引く。
     花期は冬から春のようであるが、台風被害の大きかった年は9月に花を見た。台風で葉を飛ばされた年などよく見られる現象である。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
ヌノマオ2(雄株)

雌花序

雄花序

果実