ヤナギイチゴ(柳苺)

Debregeasia orientalis


ヤナギイチゴ

  • 科名・属名 : イラクサ科 ヤナギイチゴ属

  • 特徴 :
     高さ2〜3mの落葉低木。
     枝は株立ちし、こんもりとした樹形になる。
     葉は互生し、披針形〜線状長楕円形で、長さ5〜15cm、幅1〜3cm。先は鋭尖形、基部は鈍形からやや円形で3行脈が目立ち、縁に細かい鋸歯がある。表面はやや白色を帯びた緑色で光沢があり、裏面は白い綿毛が密生する。葉柄は長さ1〜3cm。
     花は雌雄異株または同株で、雄花も雌花も1cm程度の短な柄の先に球状に集まり、雄花の花被片は4個、雌花の花被片は壷形に合着し、子房を包み、柱頭は白い毛が目立つ。
     果実(痩果)は球形の集合果で、径5殻mm、橙黄色に熟す。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東南部〜近畿南部)〜沖縄 (国外:台湾、中国)
     谷沿いの岩場、林道の縁

  • 花期 :  3〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     2013年3月18日  沖縄県国頭郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中上・雌花    同  上
     中下・雄花 2015年1月22日    同  上
     下左・果実 2013年3月17日    同  上
     下右・葉 2014年11月7日  千葉県清澄山

  • 撮影記 :
     3月半ば、沖縄にしては冷たい雨の降る1日、クニガミサンショウヅルを求めて入った沢は、増水しているうえに岩場は濡れて滑りやすく、緊張の連続だった。
     沢から林道に這い上がりほっと一息つき、辺りを見回すと橙黄色の実をつけたこの花が目に入った。
     3月ならまだ花の時期にもかかわらず、すでに果実になっていた。名前にイチゴがつき、実際に食べられると聞いていたが何となく口にしなかった。
     翌日、別の林道際で花の咲いている株も見つけた。

  • 葉裏

    同じ科の仲間の花
雌花

雄花

果実