- 科名・属名 ： カバノキ科 ハンノキ属
注．ＡＰＧ分類では、学名(A. japonica var. japonica) - 特徴 ：
高さ１０〜２０(〜３０）ｍの落葉高木。
幹は径１０〜６０ｃｍになり、樹皮は暗灰褐色〜紫褐色、不規則に浅い割れ目ができた剥がれる。若枝は褐色〜紫褐色を帯び、無毛か初め褐色の軟毛がわずかにある。
葉は互生、葉身は卵状長楕円形〜長楕円形、長さ５〜１３ｃｍ、幅２〜５．５ｃｍ。先は鋭尖頭、基部は広いくさび形、縁には不揃いで１ｍｍ以下の浅い鋸歯がある。質はやや硬質、表面は無毛で７〜９対の側脈があり、裏面は側脈が隆起し、初めやや有毛であるが、後は主脈の脈腋だけに赤褐色の毛が残る。葉柄は長さ１〜３．５ｃｍ
花は雌雄同株、雄花序は前年枝の先に２〜５個つき、散房状で初め直立するが後垂れ下がり、長さ４〜７ｃｍ、柄は長さ０．５〜０．９ｍｍ。花被は４裂。雄しべは４個、裂片と対生し、花糸は分岐しない。雌花序は雄花序のすぐ下の葉腋に１個ずつ、１〜５個つく。花被はなく、柱頭は２個で、赤紫色。
果穂は球果状、卵状楕円形で、長さ１．５〜２ｃｍ、１０月頃熟す。果実（堅果）は扁平、広倒卵形〜卵状円形、長さ３〜４ｍｍ、両側に狭い翼があり、頂部に花柱が残存する。 - 分布・生育地 ：
北海道〜九州 （国外：朝鮮、中国、ウスリー）
低湿地、湿原 - 花期 ： １１月〜(暖地）、４月(寒冷地）
- 撮影月日・場所 ：
上・全体１ 2024年2月14日 神奈川県川崎市
中上・全体２、以下中下雌花序まで 同 上
(上、中上は拡大写真あり、写真をクリック）
左下・越冬した果穂 2024年5月30日 長野県菅平
右上・葉(表)、右中・葉(裏) 同 上
右下・幹 2024年2月14日 神奈川県川崎市 - 撮影記 ：
水湿地や湿原に生える大木で、暖地では１１月頃から咲き始めるが、関東辺りでは２〜３月、まだ他の花が全く顔を見せない頃に花を咲かせる。
花が咲くといっても、写真のように高木に小さな花序が垂れ下がっているのが見えるだけで、とても花見気分にはならず、望遠レンズで拡大してやっと雄花序やさらに小さな雌花序のあるのがわかるくらいだ。
この木は「ミドリシジミ」という蝶の食草で、学生時代にはこの蝶を見つけるためにこの木を探したものだが、その頃はこの木の花や実の写真を撮るために探すという日が来るとは思ってもいなかった。
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