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- 科名・属名 : カエデ科 カエデ属
注.APG分類では、ムクロジ科(SAPINDACEAE)、学名(A. itoanum)
- 特徴 :
高さ5〜15mの常緑高木。
枝は花時、花序とともに白色の短縮毛が密生するが、後無毛になる。
葉は対生、単葉で時に3浅裂し、葉身は楕円形、長さ4〜10cm、幅1.8〜5cm。先は急鋭尖頭、基部はくさび形〜円形、縁は全縁でやや波打つ。質は革質、3脈が目立ち、両面とも無毛か裏面に軟毛があり、裏面は灰白色を帯びる。葉柄は長さ0.5〜6cm、短軟毛がある。
花序は茎頂に長さ3〜4cmの複散房状となり、1つの花序に30個程度の両性花と雄花が混生する。花弁は5個、線状披針形で、白色〜淡黄色、長さ約2mmで萼片よりやや長い。萼片は披針形、長さ約1.5mm。雄しべは8個、雄花では長さ3〜4mm、退化雌しべには白色の毛が密にある。両性花の雄しべは長さ約1.5mm、子房には白色の縮毛を密生し、花柱は渦巻状に巻く。
果実(翼果)の分果は長さ1.5〜2cm、多少軟毛があり、翼は鋭角に開く。果期は4〜5月。
- 分布・生育地 :
九州(奄美諸島の沖永良部島・与論島)〜沖縄 (国外:台湾) 低地〜山地の石灰岩地の林内
- 花期 : 3〜4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年3月15日 沖縄県うるま市 中・全体2〜中3・花 同 上 中4・果実(翼果)1 2016年5月25日 同 上 (上、中1、中3は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・果実(翼果)2、右上・葉1 同 上 右下・葉2 2017年3月15日 同 上
- 撮影記 :
石灰岩地の小高い丘の上にある城跡は、観光地でないこともあって訪れる人はほとんどいない。
しかし、南西諸島の石灰岩地に生える多くの植物が見られ、いつ訪れても発見があり、ゆっくり写真が撮れる楽しい場所だった。
この花も前年はすっかり果実になっていたが、翌年春先には花が咲きはじめていた。
カエデ科では日本で唯一常緑で、和名も楠によく似た葉の形からつけられているので、葉だけ見ているとカエデ科のイメージはないが、果実は特徴ある翼果で、カエデの仲間ということが納得できた。
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