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- 科名・属名 : カエデ科 カエデ属
注.APG分類では、ムクロジ科(SAPINDACEAE)、属名以下変わらず
- 特徴 :
高さ8〜10(〜20)mの落葉高木。
幹は太さ10〜20cm、樹皮は灰褐色でやや滑らか。枝は紫褐色〜赤褐色で、今年枝には上向きの白色の屈毛が生える。
葉は有花柄では1〜3対、無花枝では1〜7対で3小葉からなる。小葉は楕円形〜卵状楕円形、頂小葉では長さ5〜11cm、幅2〜4cm。先は鋭尖頭〜尾状鋭尖頭、基部はくさび形、縁の上半部に数対の大きな鋸歯があり、鋸歯の先は短く芒状になる。質はやや薄く、両面伊波伏毛があり、特に脈上には密生する。葉柄は長さ2〜8cmで先端のものほど長く、頂小葉の小葉柄は長さ0.5〜1.5cm。側小葉は頂小葉と同形でやや小さく、基部は非相称、小葉柄はやや短い。
花は雌雄異株、葉の展開後に有花柄の仮頂芽や側芽から長さ5〜15cmの総状花序を出して垂れ下がり、20〜40花をつける。花序と花柄には白色の短毛がある。花弁は4個、線形で淡黄色、長さ約2.5mm、無毛。花柄は長さ2〜5mm、基部に小苞がある。萼は4個、卵形で、長さ約1.5mm、外面と縁に白色の短毛がある。雄花の雄しべは4個、長さ約2mm、花糸の基部は膨らむ。雌花では退化雄しべは無く、子房は無毛か微毛を散生、花柱はごく短く、花柱分枝は長くて広く開出する。
果実(翼果)は長さ2.5〜3cmの分果で、無毛か短毛を散生し、果翼は平行か鋭角に開く。
- 分布・生育地 :
北海道(南部)〜九州(中部) (国外:日本固有) 山地の湿り気のある肥沃な谷間や斜面
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2023年4月14日 東京都八王子市 中上・全体2、以下全て(左下・果実を除く) 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・果実(翼果) 2024年5月22日 東京都青梅市
- 撮影記 :
カエデというと掌状の葉のイメージが強いが、中にはこの花のように3出複葉を持つ花もある。
ただ、写真は載せられなかったが、果実(翼果)はどの種も分果からなり、果翼が斜め下や横に広がった似た形をしていて仲間だと感じる。
山地に生える種であるが多摩丘陵にも少ないながら生育していて、ある公園の林縁で撮影した。
この年は春の訪れが極端に早く、4月の中旬にはもう花を咲かせていた。
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