オガラバナ(麻幹花)

Acer ukurunduense


オガラバナ1


  • 科名・属名 : カエデ科 カエデ属
     注.APG分類では、ムクロジ科(SAPINDACEAE)、属名以下変わらず

  • 特徴 :
     高さ3〜10mの落葉小高木。
     幹は径10〜25cmになり、樹皮は灰青色で皮目が点在する。
     葉は対生、葉身は掌状に5〜7浅〜中裂し、長さ、幅とも6〜15cm。裂片は鋭頭〜鋭尖頭、基部は切形〜浅心形、縁には欠刻状の鋸歯がある。表面は短毛を散生し、脈上にはやや密に毛が生え、裏面は密に毛があり、特に脈上には短軟毛が密生する。葉柄は長さ6〜12cm。
     花は花序は枝先に直立し、雄花と両性花が混生し、時に雄花だけの株もあり、複総状で円柱形、長さ10〜20cm、縮れた剛毛がある。花は100〜200個、1個または2〜数個が短い柄の先につき、黄緑色。花柄は長さ6〜10mm。花弁は5個、狭倒披針形、長さ2〜2.5mm、萼片より細い。萼片も5個、広線形、長さ約1mm、外面に細い軟毛がある。雄しべは8個、花糸と葯に繊細な突起があり、長さは雄花で4〜8mmと花弁より長く、両性花では花弁より短い。子房は細い軟毛を密生し、花柱は外曲する。
     果実(翼果)の分果は長さ1.5〜2cm、果翼は鋭角に開き、初め赤味を帯びる。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方、奈良県以北) (国外:朝鮮、中国(東北部)、千島列島(中部以南)、サハリン、アムール、東シベリア)
     亜高山帯

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2015年7月13日  群馬県尾瀬
     中上・全体2 2005年6月25日  秋田県秋田駒ケ岳
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・雄花序1 2015年7月21日  群馬県尾瀬
     左下・雄花序2 2015年7月13日    同  上
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     本州では標高1500〜2000mの亜高山帯で見られ、比較的大きな円柱状の花序をつけるので割合に目立つ。
     よく訪れる尾瀬では、鳩待峠から至仏山に向かう登山道で目にすることができる。
     ただ、この道沿いは足元に多くの花が見られ、下ばかり見ているとこんな大きな花でも見逃してしまうかもしれない。
     和名のオガラ(麻幹)は、この木の材が皮を剥いだ麻の茎(麻幹という)に似て柔らかいからつけられたと言われている。

  • 葉

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オガラバナ2

雄花1

雄花2