トウカエデ(唐楓)

Acer buergerianum


トウカエデ1


  • 科名・属名 : カエデ科 カエデ属

  • 特徴 :
     高さ10〜20mの落葉高木。逸出。
     樹皮は灰褐色で短冊状に剥れる。若枝には白色の軟毛がある。
     葉は対生、有花枝には1対、無花枝には1〜5対つき、葉身は倒卵形、長さ3〜8cm、幅2〜5cm。、先は3浅裂し裂片はほぼ三角形で鋭頭、基部は浅心形〜円形、掌状の3脈があり、縁は全縁で幼木では大きな鋸歯がある。表面は光沢があり、裏面は青緑色で灰白色を帯びる。若葉では赤味を帯びる。葉柄は長さ2〜6cm、葉身より短く、初め軟毛がある。
     花は雌雄同株、花序は複総状になり、長さ2〜3cm、1つの花序に雄花と両性花が混生し、淡黄色の花を20個程度つける。花序全体に白毛を密生する。花弁は5個、長さ約2mm弱で萼片より短い。萼片は狭長楕円形、長さ約2mm。雄しべは8個、雄花では花弁より短く、雌花では花弁より長い。花柱と子房には白毛が密生する。
     果実(翼果)は分果からなり、長さ約2cm、無毛で、果翼は平行〜鋭角に開く。

  • 分布・生育地 :
     逸出(中国原産) (国外:中国大陸(東南部)、台湾)
     道端

  • 花期 :  4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2023年4月11日  大分県別府市
     中上・全体2 2023年4月10日  大分県中津市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序 2023年4月11日  大分県別府市
     中下・花 2023年4月10日  大分県中津市
     左下・果実 2023年5月24日  東京都東村山市
     右上・葉(表) 2023年4月11日  大分県別府市
     右中・葉(裏)、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     日本には江戸時代後期の享保時代に中国から入ったとされる。
     生長が早いことや、潮風や郊外に強いことから、街路樹や公園、庭木などによく植栽されている。
     大分県の鶴見山麓、草原を走る道路際に1本だけこの樹が花をつけていた。
     元々中国から持ち込まれたもので植栽されることが多いが、1本だけで生えていたこともあり逸出と判断した。昔植栽されたものが1本だけ残ったのかもしれないが。
     市街地でもよく見かけるが、3裂する葉の形が特徴的で、他の種と見間違えることはないだろう。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    若枝

    同じ科の仲間の花
トウカエデ2

花序

花

果実(翼果)