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- 科名・属名 :
キンポウゲ科 センニンソウ属
- 特徴 :
長さ数mになる木本性つる性の低木。
若枝や葉の裏面、萼片に黄褐色の開出毛が密生する。
葉は1回3出複葉からなり、小葉はやや歪んだ卵状楕円形〜卵円形、長さ6〜10cm、幅2.5〜5cm。先は尖り、縁はやや粗い鋸歯があり、時に3浅裂する。葉柄は長さ2.5〜10cm。
花は葉腋から集散〜複集散花序となって1〜9個つき、釣鐘形で下向きに咲く。花弁状の萼片は4個、卵状楕円形で黄褐色の開出毛が密生し、長さ1.5〜2cm、幅0.6〜0.7cm、先は尾状に尖って反り返りる。雄しべは長さ10〜15mm、花柱は長さ4〜5mm、開出毛を密生する。花柄は長さ1〜2cm、黄褐色の開出毛が密生する。
果実(痩果)は紡錘状、長さ約5mm、開出する白毛が密生し、残存するやや伸び、毛も伸長して羽毛状になる。
- 分布・生育地 :
九州南部〜沖縄 (国外:中国、台湾) 林縁や林中の木に巻きつく
- 花期 : 12〜2月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1994年12月25日 鹿児島県奄美大島 中上・全体2 2014年1月22日 沖縄県名護市 中中・花1 1994年12月25日 鹿児島県奄美大島 中下・花2 2014年1月22日 沖縄県名護市 左下・果実(群落) 2017年3月17日 沖縄県国頭郡 (上、中上、左下は拡大写真あり、写真をクリック) 右上・果実2 2008年3月1日 同 上 右下・葉 2014年1月22日 沖縄県名護市
- 撮影記 :
この花の写真を見かけることはあまりない。南方系の植物で九州南部より以南に分布している。
初めてこの花に巡り会ったのは、12月の末の奄美大島であった。真冬にもかかわらずシャツ一枚でいられるような暖かい日、原生林内の林道を歩いている時、地元の花仲間が教えてくれた。
張り出した枝に絡みつき、目の前にぶら下がって咲くこの花の名前を、それまで聞いたことはなかった。
渋い黄色の色合いといい、ビロードの名の通りの柔らかな触感といい、素晴らしい花であった。
その後沖縄でも何度かこの花と出会った。花だけでなく、花の終わった後の白い綿毛の群落も美しいとしか言いようがない。ここでこの花を紹介できることを嬉しく思う。
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