キバナサバノオ(黄花鯖之尾)

Dichocarpum pterigionocaudatum


キバナサバノオ


  • 科名・属名 : キンポウゲ科 シロカネソウ属

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの多年草。
     根茎は太くて短く、径5〜10mm。
     根出葉は退化し鱗片状になる。茎葉は中部で互生、上部では対生し、頂小葉は菱状倒卵形〜卵形、長さ2〜5cm、幅1〜1.5cm。先は鋭頭、基部はくさび形、縁は不揃いの鋸歯縁になる。葉柄は基部で合着する。
     花は茎頂に1〜2個つき。直立し、黄緑色で、径7〜10mm。花柄は長さ1.5〜3cm、小苞は時につき、葉状で3出複葉〜3深裂する。花弁状の萼片は5個、楕円形で開出し、長さ6〜10mm、幅2〜5mm、背面はわずかに赤茶色を帯びる。花弁の舷部は直立し、半球状で表側は浅く不規則に切れ込み、オレンジ色、柄(爪部)は黄白色。雄しべは多数、長さ約5mm、葯は白色で、長さ約0.5mm。花糸は線形で黄色。雌しべは2個、基部でわずかに合着し、柱頭はわずかに頭状
     果実(袋果)は2個が広がって魚の尾のような形になり、長さ約0.9mm。種子は球形で褐色、径約1mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(福井・滋賀・兵庫県・京都府の日本海側) (国外:日本固有)
     温帯林の林縁、林下

  • 花期 :  4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2002年4月27日  兵庫県佐用郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・花、右下・上部茎葉    同  上
     左下・果実(袋果) 2014年5月7日    同  上

  • 撮影記 :
     近畿地方(福井・滋賀、京都、兵庫県の日本海側)にごく稀に分布する珍しい植物である。
     兵庫県のある山にあると聞き、朝一の新幹線で出かけた。ローカル線・バスを乗り継ぎ現地に着いたのは昼前、どこにあるのか探し回り、やっと杉林の下でこの花を見つけた。
     この年は春の訪れが早かったせいかほとんどが実になっていて、やっと一株だけ咲き残っていた。
     サバノオの名は左下の写真のように横に広がった果実(袋果)の形からつけられているが、花の感じから言えばキバナシロカネソウといった感じだった。

  • 上部の茎葉

    同じ科の仲間の花
花

果実(袋果)