|
- 科名・属名 : クロウメモドキ科 ケンポナシ属
- 特徴 :
高さ15〜25mの落葉高木。
幹は太いものは径1mになり、樹皮は紫褐色〜暗紫色で光沢があり、無毛、小さな皮目がある。
葉は互生、葉身は広卵形、長さ10〜20cm、幅6〜14cm。先は鋭尖頭〜短鋭頭、基部は円形〜切形で左右不相称、基部から伸びる3行脈が目立ち、縁は不揃いでやや粗い鋸歯がある。表面は深緑色、裏面は無毛で脈が隆起する。葉は乾いても濃緑色。葉柄葉長さ2〜5cm、上端に目立たない腺体がある。
花序は枝先や上部の葉腋から円錐形をした集散花序となり、径約7mmの小さな帯緑白色の花をつける。花弁は5個、倒卵形で萼裂片よりやや長く、雄しべを両側から包みこみ、後反り返る。萼片は5個、三角状卵形、半透明な帯白色、中脈は内面に隆起する。花床は広く、毛が多い。雄しべは花時から強く反り返る。
果実(核果)は球形、径7〜10mm、浅く3裂し、紫褐色で無毛、3室があり、各室に1個の種子がある。種子は扁平な円形、径4〜5mm、暗紫色で光沢がある。花序の軸は花後膨らみ、肉質で甘く、食べられる。
- 分布・生育地 :
北海道(奥尻島)、本州〜九州 (国外:朝鮮、中国) 山野の林内
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2023年6月27日 神奈川県川崎市 中上・全体2、以下果実を除き 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・果実(核果) 2023年10月6日 同 上
- 撮影記 :
図鑑で見た果実の面白い形が印象的で、どこかで出会えないかと探していた。
色々と調べると、今住んでいる川崎市内にもこの樹があることを知り、花期を見計らって探しに出かけた。
見つかるかどうか、高木なので花がよく見られるかが気にかかり、それに梅雨時なのでちょっとした坂道でも汗が吹き出る。
すると、山道の途中にある休憩所の谷にこの樹が生えていて、花を見上げるのではなく横から観察でき、花期も満開で満足できる撮影条件だった。
場所が分かったので果期を狙って訪れると、前から見たかった面白い形の果実が一杯ついていた。
残念ながら手の届く場所にはなく、食べられるという果実の味は確認できなかった。
同じ科の仲間の花
|