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- 科名・属名 : クスノキ科 クロモジ属
注.APG分類では、学名(L. umbellata var. umbellata)
- 特徴 :
高さ2〜5mの落葉低木。
樹皮は灰褐色で滑らか、円い皮目がある。若枝は黄緑色で、普通黒い斑が入り、初め絹毛があるが、後無毛。折るといい香りがする。
葉は互生、葉身は倒卵状長楕円形、長さ5〜10cm、幅1.5〜3.5cm。先は突出して鈍端になるか尖り、基部はくさび形、全縁。表面は無毛、裏面は初め絹毛に覆われるが、後無毛で帯白色になり、葉脈は隆起しない。葉柄は長さ1〜1.5cm。
花は雌雄異株、葉の展開と同時に開花し、花序は数個の花が散形に着く。花被片は普通6個、黄緑色でやや透明、楕円形で、雄花では長さ約3mm、雌花ではやや小さい。
果実(液果)は球形、径5〜6mm、9〜10月に黒色に熟す。小果柄は長さ15〜20mm、細毛があり、先の方は少し太くなる。果柄は長さ5〜10mm。種子は球形、赤褐色〜黒褐色。
- 分布・生育地 :
本州(東北地方南部以南の太平洋側以西) (国外:日本固有) 山地の落葉樹林内
注.分布域は「日本の野生植物」(平凡社刊)を参考にしたが、他の図鑑では四国、九州さらに国外の中国にも分布としている。
- 花期 : 4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2014年4月2日 神奈川県川崎市 中1・全体2 2015年5月8日 静岡県伊豆半島 中2・全体3 2021年4月8日 東京都稲城市 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・雄花序 2014年4月2日 神奈川県川崎市 中4・雌花序 2015年3月31日 同 上 中5・小花柄 2021年4月8日 東京都稲城市 左下・果実 2018年8月31日 神奈川県箱根 右上・葉 2015年5月8日 静岡県伊豆半島 右中上・葉(裏) 2017年4月29日 東京都稲城市 右中下・若枝 2021年4月8日 同 上 右下・枝 同 上
- 撮影記 :
クロモジの名前を知ったのは、時代小説で楊枝のことをそう呼んでいるのが初めてだった。
黒色かと思ったが、材は白く、いい香りがすることから楊枝に使われたようだ。
変わった和名の由来は、樹皮に現れる黒い斑を文字になぞらえたとのことだ。
関東辺りで早春の低山に出かけると、斜めに広がった何枚かの葉の根元から散形の花を伸ばして咲く黄緑色の花をよく見かける。
花の時期は目立ってよく撮影してするが、果実は小さく地味なため、ほとんどカメラに収めていなかった。
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