マルバニッケイ(丸葉肉桂)

Cinnamomum daphnoides


マルバニッケイ

  • 科名・属名 : クスノキ科 クスノキ(ニッケイ)属

  • 特徴 :
     高さ1〜10mの常緑低木〜小高木。
     枝は密に分枝し、葉を茂らせる。樹皮は黒褐色で平滑、浅い縦シワがあり、若枝は4稜形で、淡黄緑色、淡褐色の細毛が密生する。
     葉は対生またはやや互生、葉身は倒卵形、長さ2.5〜4cm、幅1〜2cm。先は円頭、基部はクサビ形に狭くなり、縁は全縁で裏面に反り返る。質は硬い革質、表面は3脈が目立ち、初め伏毛があるが後無毛で、裏面に脈は隆起し、密に絹毛に覆われ白色。葉柄は長さ6〜7mm、密に絹毛に覆われる。
     花序は新葉や葉腋から長い花柄を伸ばして円錐花序となり、黄緑色の花を疎らにつける。花は筒形で先は6裂し、花被片は広卵形、長さ3〜3.5mm、両面に短毛を密生し、花後脱落する。雄しべは普通9個、外輪に9個、内輪に3個。花序の分枝は短く、絹毛を密生する。
     果実(液果)は楕円形、長さ9〜10mm、紫黒色に熟す。果托は椀形、径3.5mmで果実の基部を包む。種子は楕円形で縦シワが数本ある。

  • 分布・生育地 :
     九州(福岡県(大島)、鹿児島県(南部、屋久島、種子島、トカラ列島))、沖縄(硫黄鳥島) (国外:日本固有)
     海岸の岩場の崖上、砂地

  • 花期 :  6月、11〜12月の2回

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2008年10月5日  鹿児島県屋久島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・花、下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     九州から沖縄の一部、主に島嶼の海岸の岩場に生え、葉裏が絹毛に覆われることや、葉が倒卵形で先が円頭であることなどが、数種ある仲間と異なるとされている。
     真冬の時期を除きこれまで十数回も訪れた屋久島、高い山に登らなくとも海岸や、低地林、川沿いなどで多くの植物を見ることができる。
     この花は特に目的もなく訪れた岩場の海岸、樹木には興味がなく名前も分からないまま何の気なしに撮影したものだ。
     帰って調べると比較的分布の限られた種で、今ならもっとしっかり撮影したのに・・・。

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花

葉