ヤマコウバシ(山香し)

Lindera glauea


ヤマコウバシ1(雌株)

  • 科名・属名 : クスノキ科 コウロモジ属

  • 特徴 :
     高さ3〜5mの落葉低木。
     幹は叢生し、樹形は球形〜扁球形。樹皮は茶褐色〜淡褐色、細い皮目がある。
     葉は互生し等間隔につき、葉身は長楕円形〜楕円形、長さ5〜10cm、幅2.5〜4cm。先は鈍く尖り、基部は広いくさび形、縁は全縁で波打つ。質はやや厚くて硬く、濃緑色で光沢はなく、裏面は若葉の時は絹毛に覆われるが、後毛は落ち、灰白色となり葉脈は隆起する。葉柄は長さ3〜4mm。葉は枯れても落葉せず、翌年春、萌芽の際に落ちる。
     雌雄異株であるが、雌株しかなく、雄株なしで結実する。花序は前年枝の葉腋に散形に少数つき、淡黄色の花をつける。小花柄は短く、絹毛を密生する。花被片は6個、広楕円形で長さ約1.4mm、花後脱落する。雌花には仮雄しべが9個あり、子房と花柱は花被片から飛び出る。
     果実(液果)は球形、径約7mm、10〜11月に黒色に熟す。種子はほぼ球形、隆起線が2本ある。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方以西)〜九州 (国外:朝鮮、中国)
     山地

  • 花期 :   4月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2021年4月9日  東京都八王子市
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     雌雄異株であるが雌株しかなく、雄株がなくても結実するという面白い木である。ただ、中国には雄株もあるようだ。
     また、落葉樹は普通は秋〜冬にかけて葉を落とすが、この木は葉を落とさず、春になって芽が出る頃、やっと葉を落とすと言う変わった性質もある。
     そのうち枯葉だけの木も撮影してアップしたい。
     和名は、この枝を折るといい香りがすることから名付けられたようだ。

  • 新葉(表)

    新葉(裏)

    同じ科の仲間の花
ヤマコウバシ2(雌株)

雌花序

雌花