ビロードヒメクズ(天鵞絨姫葛)

Atylosia scarabaeoides


ビロードヒメクズ1

  • 科名・属名 : マメ科 ビロードヒメクズ属
     注.APG分類ではキマメ属、学名(Cajanus scarabaeoides)

  • 特徴 :
     長さ2mになるつる性の多年草。
     茎は細く、褐色の毛がある。
     葉は3小葉からなり、小葉は倒卵状長楕円形〜長楕円形で、長さ2〜4cm、幅1〜2cm。先は円頭〜やや鋭頭、基部はくさび形。基部から3脈が出、葉脈は凸出し、両面に灰褐色の長軟毛が密生し、裏面に多数の密腺点がある。
     花は葉腋について短い総状花序となって2〜3個つき、蝶形花で黄色、長さ約1cm。
     果実(豆果)は長楕円形でやや膨らみ、長さ1.5〜2cm。表面に褐色の毛が密にあり、微小な密腺点がある。種子は3〜5個。

  • 分布・生育地 :
     沖縄 (国外:台湾、中国、東南アジア〜インド、オーストラリア、太平洋諸島、アフリカ)
     日当たりのいい草地、原野

  • 花期 :   8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2010年9月12日  沖縄県石垣島
     中上・全体2 2017年9月5日  沖縄県西表島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花    同  上
     左下・果実 2017年9月6日  沖縄県石垣島
     右下・葉 2009年9月28日    同  上

  • 撮影記 :
     沖縄にはマメ科の植物が多いうえにバライティ豊かで、「琉球植物誌」の記述を見てもなかなかイメージは湧かない。それでも、各島で色々な花を目にし、未見の花も少なくなってきた。
     秋、いつも訪れる海岸の風衝草原、大した期待もせずに歩いていると、出会ったことのない黄色のマメ科の花が目に入った。
     花だけでなく柔らかそうな毛を密生した豆果もついている。琉球植物誌の記述を思い浮かべこの花の名前が浮かび、帰って調べると間違いなくこの花だった。
     多くはないが、石垣島や西表島の何ヶ所かで見ることができた。
     情報の少ない花でも会いたいとの気持ちを持ち続け努力すると、いつか出会うことができる、そんな気がする。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ビロードヒメクズ2

花

果実(豆果)