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- 科名・属名 : マメ科 ツルサイカチ属
- 特徴 :
高さ3〜5mの常緑つる性木本。
若枝には褐色の軟毛があるが、後無毛になる。
葉は互生、羽状複葉で、長さ6〜10cm、頂小葉があり、側小葉は互生する。小葉は5〜7個、葉身は倒卵形〜長楕円形、長さ1.5〜5cm、幅1〜2.5cm。先は円頭〜わずかに凹頭、基部はほぼ鈍形、縁は全縁。表面は無毛、裏面は微細な圧白毛がある。葉柄は短い。
花は腋生の総状花序で、長さ2〜6cmになり、長さ7〜8mmの白色の花をつける。花序の軸には微小な圧毛があり、小花柄は長さ約2mm。花の基部に苞が宿存し、卵形で、長さ約1mm。小苞もあり、広卵形で、長さ約1.5mm。花は蝶形花、旗弁は卵形〜広卵形で開出し、翼弁と竜骨弁は長楕円形、長さ約6mm、花弁の爪は舷部よりやや長く、萼より突出し、長さ約3.5mm。萼は鐘形、長さ約3mm、先端は5裂し、裂片は半円形で、上側の2裂片は幅が広く、下側の裂片が最も長い。雄しべは単体で普通10個あり、雌しべは無毛で、基部に短柄があり、1〜2個の胚珠が入る。
果実(豆果)は長楕円形、扁平でやや湾曲し、長さ2〜3cm、幅約1.2cm。短い柄があり、先は鈍頭かやや突出し、無毛で、1〜2個の種子が入る。種子は長さ約10mm、幅約5mm。
- 分布・生育地 :
沖縄(石垣・西表島) (国外:アジア・オーストラリアの熱帯・亜熱帯域) 海岸のマングローブ林内、後背地の湿地
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2022年7月11日 沖縄県西表島 中上・全体2、以下花序、葉(裏) 同 上1 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・果実 2017年9月3日 同 上2 右上・葉 2016年7月5日 同 上2
- 撮影記 :
マングローブ林を構成する樹種の一つであるが、個体数はそう多いものではない。
それでも西表島で何ヶ所かで自生株を見つけ、時期を変え何度も訪れたが、果実は見つけたものの花には出会えなかった。
今回こそはと7月初めに訪れたが、やはり花は無し、次に訪れた自生地も同様、暑さでへばり気味になりながら、別の自生地に最後の期待をかけた。
しかし、ここでも花も実も無し、何とか見つけたいとさらにマングローブ林に分け入ると、葉陰に白い花が咲いているのを見つけた。
株を見つけてから十年近くかかったことになる。
少し遅めなもののやっと花に出会えて大喜びしたが、何だかホッとした気持ちになった。
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