クズ(葛)

Pueraria lobata


クズ1


  • 科名・属名 : マメ科 クズ属
     注.APG分類では、学名(P. lobata subsp. lobata)

  • 特徴 :
     茎の長さ10mにもなるつる性の半低木。
     茎の基部は木質化し、上部は草質となり、褐色の開出または反曲する長剛毛が密生する。
     根(主根)は長さ約1.5m、径約20cmになり、多量の澱粉を蓄える。
     葉は3小葉からなり、頂小葉は菱状円形で先は時に3裂し、長さ、幅とも10〜15cm。質は紙質、両面に毛があり、特に裏面に白毛をやや密生する。側小葉はしばしば2中裂する。托葉は狭卵形、長さ1.5〜2cm、中央付近で盾着する。
     花は葉腋に長さ20cmにもなる総状または円錐状となって密につき、紅紫色で長さ1.5〜2cm。花序柄はn長さ1〜6cm、花柄は長さ約3mm以上。旗弁は広楕円形で凹頭、ほぼ直角に立ち、竜骨弁は翼弁より大きい。萼は
     果実(豆果)は扁平な狭長楕円形で、長さ6〜8cm、幅8〜10mm。褐色の長剛毛が密生する。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州(奄美大島まで) (国外:朝鮮、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、ニューギニア)
     山野に普通

  • 花期 : 8〜9月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2005年9月10日  静岡県静岡市
    中1・全体2 2019年9月5日  神奈川県川崎市
    (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
    中2・花序 2017年9月21日    同  上
    中3・花 2019年9月5日   同  上
    中4・果実(豆果) 2017年10月8日    同  上
    左下・種子 2025年4月20日    同  上
    右上・葉 2017年9月21日    同  上
    右下・黄葉 2024年12月4日  東京都八王子市

  • 撮影記 :
     夏の盛りのころ、山野の林縁や都市部のちょっとした空地でも一面覆い尽くすかのようにこの植物が葉を広げている。
     覆われた植物は、日差しが遮られるうえ重いマントを被っているようで大変そうだ。
     日本だけでなくアメリカにも帰化してでもはびこり、現地でも苦労しているという記事を読んだことがある。
     今ではすっかり嫌われ者であるが、昔はこの根から葛粉を作ったり、太い蔓から布を織ったりした有益な花であったようで、葛布(かっぷ)という地名もある。

  • 葉

    黄葉

    同じ科の仲間の花
クズ2

花序

花

果実(豆果)

種子