チョウセンゴミシ(朝鮮五味子)

Schisandra chinensis


チョウセンゴミシ1

  • 科名・属名 : マツブサ科 マツブサ属

  • 特徴 :
     落葉性のつる性木本。
     蔓は左巻きで、古くなるとコルク質が発達する。
     葉は互生し短枝の先にまとまってつき、葉身は長倒卵形〜倒卵形、長さ4〜10cm、幅3〜5cm。先は鋭尖頭、基部は尖り、縁には5〜10個の波状の鋸歯がある。質は厚い膜質、表面は中央脈に沿って凹入し、2次脈もやや窪み、裏面はしばしば脈上に乳頭状突起がある。葉柄は長さ2〜2.5cm。
     花は雌雄別株、短枝から2〜3cmの柄があって垂れ下がってつき、黄白色で径約1cm、芳香がある。花被片は6〜9個、長楕円形で全て花弁状。雄花では雄しべは5〜60本、雌花では12〜120本。
     果実(集合果)は房状になり、長さ5〜6cmの柄があって垂れ下がり、液果は径約7mmで大きさは不揃い、赤熟する。種子は腎臓形で、表面は平滑。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中北部) (国外:朝鮮、中国(北・東北部)、ロシア(シベリア東部、沿海州、アムール、ウスリー、サハリン)
     丘陵や山地の林縁

  • 花期 :   5〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2006年6月4日  長野県松本市
     中上・全体2 2012年6月5日  長野県八ヶ岳山麓
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2006年6月4日  長野県松本市
     左下・果実 1995年10月1日  長野県南佐久郡
     右下・葉 2006年6月4日  長野県松本市

  • 撮影記 :
     長野県に希産するスミレの撮影のため松本市の山中に向かう。
     久し振りに訪れたのでまだ残っているかどうか心配だったが、記憶通りの場所に健在だった。
     じっくり撮影し車まで戻る途中、林道脇にこの花が咲いているのに出会った。
     以前来たときも同じ場所を歩いたはずなのにその時は気がつかなかった。
     植物のことが少しずつ分かるようになってきたことが、周囲に目を向ける余裕が出てきたのだろう。
     経験を積むことによって違った景色が見えてくるのは、この事に限らないと思った。

     和名の由来は、果実に甘、苦、酸、辛、鹹の5つの味があることから五味子と呼ばれ、滋養、強壮、鎮咳などの漢方薬に使われる他、果実酒にされるようだ。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
チョウセンゴミシ2

花

果実