トガクシソウ(戸隠草)

Ranzania japonica


トガクシソウ1


  • 科名・属名 : メギ科 トガクシソウ属

  • 特徴 :
     草丈30〜50cmの多年草。
     地下茎は横に這い、多くのひげ根が生える。茎の基部には鱗片はあるが、根出葉はない。
     葉は茎の先に2個対生し、3出複葉。葉はほぼ円心形、長さ幅とも8〜12cm。先は尖り、基部は心状に湾入し、縁は欠刻状に浅く裂けるか中裂する。葉は掌状脈があり、茎や葉に毛はなく、長い小葉柄がある。
     花は、2枚の茎の先端に散形状の花序を出すが、葉をつけるところから上の節間が短縮するため、葉の付根から花茎を束生するように見える。花は3〜5個つき、淡紅色で径約2.5cm、下向きに咲く。花柄は長さ4〜8cm、花後伸びて長さ約10cmになる。花弁は6個、内萼片より小さく、基部に2個の蜜腺がある。萼片は9個、外側の3個は小さく花時には落ち、内側の6個は大きく花弁状。雄しべは6個、雌しべは1個。
     果実(液果)は楕円形で白色、長さ約18mm。
     別名 トガクシショウマ
     白い花をつけるものを
     シロバナトガクシソウ(仮称)(学名未定)(左下の写真)という。

  • 分布・生育地 :
     本州(中北部の日本海側) (国外:日本固有)
     多雪地帯の、主として落葉広葉樹林下

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1978年6月18日  群馬県尾瀬
     中上・全体2    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 1981年6月14日    同  上
     左下・シロバナ、以下全て    同  上
     (左下は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     日本特産の属で、本州中部以北の日本海側にあり多雪地帯の林下に咲くが、産地は点々と限られている。
     トガクシソウの和名の通り戸隠山で最初に見つけられた。
     この花を見たくて現地戸隠に出かけたが、幻の花と言われ、民家の庭先でしか見られなかった。
     その後、尾瀬にあると知り6月中旬に出かけた。尾瀬ヶ原から続く登山道の途中、沢沿いの斜面にこの花が咲いていた。
     噂に違わずピンク色の美しい花で感動した。近くには白花もあった。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
トガクシソウ2

花序

シロバナトガクシソウ