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- 科名・属名 : ミカン科 コクサギ属
- 特徴 :
高さ1.5〜5mの落葉低木。
全体によく枝分かれし、若枝は緑色〜灰緑色で、全体に臭気がある。
葉は普通左右交互に2個づつ対生し、倒卵形〜倒卵状長楕円形で長さ5〜13cm、幅3〜7cm。先は短く尖り、基部はくさび形、全縁で表面は脈上に短毛が散生し、裏面は全体に毛があり、油点がある。
雌雄異株で、前年枝の葉腋に黄緑色の小さな花がつき、雄花序は総状で長さ2〜4cm、10個程度つき、花弁は4個、楕円形で長さ約1mm、4本の雄しべと中央に4裂する花盤がある。萼片は狭三角形で先が尖り、長さ約1mm。雌花は1個つき、花弁は狭長楕円形で長さ約3mm。萼片は卵形、長さ約2mm。
果実は3〜4個の分果に分れ、分果は歪んだ楕円形で緑色、熟すと上部が裂開して黒褐色となり、径3mm程度の光沢のある種子を飛ばす。
- 分布・生育地 :
本州〜九州 (国外:朝鮮(南部)、中国(中南部)) 低地のやや湿った沢沿いの二次林
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
2013年4月15日 東京都高尾山 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中上・雄花序 同 上 中中・雄花 2019年4月16日 熊本県阿蘇 中下・雌花 2013年4月15日 東京都高尾山 左下・果実 2013年5月16日 同 上 右上・葉 2013年4月15日 東京都高尾山 右中・葉(表) 2019年4月16日 熊本県阿蘇 右下・葉(裏) 同 上
- 撮影記 :
木の花にあまり興味がなかった時は全く目に入っていなかったが、少し気をつけて見始めたら沢沿いにこんなに沢山生えているのかとびっくりした。
花は葉腋につき雌雄異株であるが黄緑色で小さく、雄花は数センチの花序に10個近くつくが、雌花は単生する(1個しかつかない)ため、より目だたない。
更にこの時期、地上にはスミレ類や各種の春の花が咲き乱れるため、目線より上にあるこの花は意外と気づきにくい。
また、右下の写真のように葉も左右交互に2個づつ対生する面白いつき方をするので、春低山の沢沿いを歩くときは注意してみてほしい。
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