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- 科名・属名 : ムクロジ科 ハウチワノキ属
- 特徴 :
高さ2〜4mの常緑低木。
葉は単葉で互生、葉身は倒披針形、長さ5〜10cm、幅1cm以下、枝葉は斜上する。質は薄く、先は尖るが円く、基部は次第に細くなり、全縁。中脈は裏面で隆起し、無毛で、両面は若枝とともに腺点があり粘る。葉柄はほとんど無柄。
花は雌雄同株、枝の先に短い円錐花序となってつき、有柄で、淡黄色、径約5mm。花弁はなく、萼片は2〜5個あり、披針形で長さ約2mm。雄しべは長さ約1.5cm、花糸はごく短い。雌しべは長さ約5.5mm、花柱はうち4mmを占め、深く2裂する。
果実(刮ハ)は軍配形で円形の2つの翼があり、淡紅色〜褐色、2室があり、各室に1〜2個の種子が入る。種子は黒色、倒卵形で少し平たく、光沢は無く、長さ約3mm。
葉の幅が1cm以下のものを狭義のハウチワノキといい、葉の幅がそれより広いものをヒロハハウチワノキといい、沖縄諸島以北のものはこれにあたる。
- 分布・生育地 :
九州(トカラ列島(宝島))〜沖縄(沖縄諸島・宮古・石垣・西表島)、小笠原 (国外:中国(南部・南西部)、台湾など世界の熱帯〜亜熱帯域に広く分布) 海岸近くの石灰岩地、林縁、原野
- 花期 : 4〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2023年5月28日 沖縄県石垣島 中上・全体2、以下(果実を除き) 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・果実(刮ハ) 2024年6月11日 同 上
- 撮影記 :
沖縄県石垣島に花見に出かけた時、昼食場所としていつも訪れる場所がある。
そこは海岸を見下ろす隆起石灰岩の崖の上、周辺は原野に潅木が混じるまだ人の手の入っていない場所だ。
これといった特徴のない場所であるが、草叢や隆起珊瑚礁の上で、沖縄で初めて目にする植物にいくつも出会った。
この花もその一つ、初めての出会いは面白い形をした果実(刮ハ)だったが何の花か見当もつかず、その後花を見、図鑑を調べてやっと本種とわかった。
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