イヌコモチナデシコ(犬子持撫子)

Petrorhagia nanteuilii


イヌコモチナデシコ1

  • 科名・属名 : ナデシコ科 コモチナデシコ属

  • 特徴 :
     草丈10〜50cmの2年草。帰化。
     茎は下部で分枝し、中部の2〜3の節間全体に開出する腺毛が密生する。
     葉身は線形、長さ2〜3cm、幅0.5〜1.5mm。先は尖り、透明な細い縁取りがあり、縁には上向きの微歯があってざらつく。葉の基部は鞘状になり鞘部の長さは幅の2倍になるものもある。
     花序は茎頂に単生し、革質の総苞に包まれる。花は3〜10個、それぞれ2個の膜質の小苞に包まれ、径約1cm、花弁は紅紫色で先は2裂する。総苞片は3列、2個ずつ対生し、背面は膜質の縁を除き微突起を密生してざらつく。
     果実(刮ハ)は成熟すると萼筒を破って現れ、上端は4浅裂、果片は革質。種子の背面には円錐状の尖った突起が並ぶ。

  • 分布・生育地 :
     帰化(ヨーロッパ西部原産) (国外:北アメリカ、オーストラリアなどにも帰化)
     荒地、河川敷

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年5月7日  茨城県ひたちなか市
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     茨城の海岸、海岸植物を撮影しながら歩いていると、海岸端を走る道路脇に一見して帰化とわかるナデシコ科の花が咲いていた。
     同行者に「コモチナデシコ」と教えられ、帰化ではあったが初めて見る花だったので丁寧に撮影した。
     帰ってから図鑑でこの花の詳細を調べると、コモチナデシコ属には「コモチ」と「イヌコモチ」の2種が帰化していると記されていた。
     違いは、「イヌコモチ」は茎の中部の節間に腺毛が密生すること、葉鞘部の長さが幅の2倍程度あるのに対し、「コモチ」では、茎は無毛、葉鞘の長さと幅がほぼ同じとされていた。
     そこで写真を調べると、右下の葉と茎の写真のように、茎に腺点が密生し葉鞘の長さが幅よりはるかに長いなど、「イヌコモチ」の特徴が見て取れたので本種と判断した。

  • 葉・茎

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イヌコモチナデシコ2

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