ニガキ(苦木)

Picrasma quassioides


ニガキ1(雄株)


  • 科名・属名 : ニガキ科 ニガキ属

  • 特徴 :
     高さ6〜8(〜15)mの落葉高木。
     幹は太いものでは40cmになり、樹皮は赤褐色〜暗褐色で皮目が目立ち、噛むと苦味がある。
     葉は互生し奇数羽状複葉で、長さ15〜25cm、4〜6対の小葉がある。小葉は対生またはやや対生し、葉身は卵状長楕円形、長さ3〜8cm、幅1〜3cm。先は尖り、基部はくさび形、縁んは鋭鋸歯がある。初め裏面主脈に褐色の毛があるが、後両面無毛。葉柄は初め細毛があるが、後無毛。
     花は雌雄異株で、本年枝の葉腋から長さ4〜10cmの集散花序を出し、花序は2〜4回分枝し、多数の花をつける。雄花序には30〜50個、雌花序には7〜10数個の花をつける。花弁は4〜5個、蕾の時には瓦重ね状に重なり、黄緑色で楕円形、雄花で長さ約2mm、雌花で約3mm。雄花は4〜5本の雄しべと4〜5裂する花盤があり、雌花は4〜5本の退化した雄しべがあり、浅く4〜5裂する花盤の上に1個の雌しべがある。花柱の先は4〜5裂する。
     果実(核果)は2〜3個の分果からなり、分果は広楕円形で緑黒色、長さ約6mm、外果皮は柔らかく、内果皮は硬く、中に1個の種子がある。種子は楕円形、黄褐色で赤褐色の模様があり、長さ5〜6mm。

  • 分布・生育地 :
     日本全土 (国外:朝鮮、中国、台湾、ヒマラヤ)
     低地の林内

  • 花期 : 4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1(雄株) 2017年5月2日  神奈川県川崎市1
     中上・全体2(雌株) 2024年4月21日    同  上2
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・雄花 2017年5月2日    同  上1
     左下・雌花 2019年4月28日    同  上2
     右下・葉 2019年2月6日  沖縄県南城市

  • 撮影記 :
     春、木々の若葉がやや色濃くなって生きた多摩丘陵を歩くと、黄緑色の花をつけた木を見つけた。
     木には詳しくないので帰って調べるとこの花で、皮を噛むと苦味があることからこの和名がつけられていて、健胃薬や殺虫剤に利用されるようである。
     関東辺りでは4〜5月の開花であるが、沖縄では2月初めにはもう開花していて、改めて暖かさの違いを感じさせられた。
     残念ながら果実の撮影ができていないが、近場にあるので早い時期に果実もアップしたい。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ニガキ2(雌株)

雄花

雌花