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- 科名・属名 : ニレ科 エノキ属
注.APG分類では、アサ科(CANNABACEAE)、属名以下は変わらず。
- 特徴 :
高さ20mになる落葉大高木。
幹は太いものでは径1mになり、樹皮は灰黒色。樹幹は横に広がり、よく枝分かれし、時に下垂する。
葉は2列互生し、葉身は広楕円形〜広卵状楕円形、長さ4〜9(〜13)cm、幅2.5〜6cm。先は鋭尖形、基部は広いくさび形で左右不相称、基部を除き小さな波状の鈍鋸歯があるか時にほとんど全縁になる。成葉では両面ともざらつき、裏面は緑色、若葉では両面ともさび色の短い縮毛が密生し、時に裏面が多い。葉柄は長さ約5mm、上面に溝があり、密に軟毛がある。
花は雌雄同株、葉の展開と同時に開花する。雄花は新枝の下部に集散花序となり、花被は4全裂し、裂片は長楕円状披針形で4個の雄しべと対生する。両性花は新枝の上部の葉腋に単生または2〜3個が束生し、花被片は4個、雄しべが4個、雌しべが1個ある。花柱は2裂し、柱頭には白い毛が密生する。
果実(核果)は球形、径約6mm、9月ごろ赤褐色に熟す。果柄は長さ8〜15mm。核の表面には網状紋が顕著に現れる。
- 分布・生育地 :
本州〜九州 (国外:朝鮮、中国(中部)) 丘陵や山地の日当たりのいいやや湿り気のある場所
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2015年4月25日 神奈川県三浦市 中1・全体2 2019年4月7日 神奈川県川崎市 (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック) 中2・花序 同 上 中3・雄花 2015年4月25日 神奈川県三浦市 中4・両性花 2019年4月7日 神奈川県川崎市 左下・果実 2016年9月12日 同 上 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
木本類は詳しくなかったが、国蝶のオオムラサキやゴマダラチョウの食樹だったため、子供の頃から冬になると大木の下の落ち葉の裏で越冬している幼虫を探しによく出かけていた記憶がある。
関東辺りでも所々に大木が見られ、さすがにオオムラサキは見当たらないものの、ゴマダラチョウや放蝶により最近増えてきたアカホシゴマダラが梢の周りを飛んでいるのを見かける。
花は葉の展開と同時に開花し、中2の写真のように、新枝の先に両性花が基部に雄花がつく。ただ大木が多いため、土手や堤防、橋の上など枝に近づける場所でないと小さな花はよくわからない。
秋に赤褐色に熟した果実が見られるが、この実は甘みがあり、食べることができるようだ。
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