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- 科名・属名 : ニレ科 ウラジロエノキ属
注.APG分類では、アサ科(CANNABACEAE)、属名以下は変わらず。
- 特徴 :
高さ5〜20mの常緑高木。
樹皮は灰白色で平滑、よく分枝し、枝は開出する。若枝には灰白色の短毛が密生するが、後脱落する。皮目は横に長い。
葉は2列互生、葉身は卵状長楕円形、長さ5〜12cm、幅2〜6cm。先は長鋭尖頭、基部は浅い心形で左右不相称、縁には細かくて整った鋸歯がある。質は厚く、基部からの3脈が目立ち、表面は短毛が散生してざらつき、裏面は葉脈が突出し、伏毛が密生して銀白色。葉柄は長さ8〜10mm。
花は葉腋から集散花序を出し、多数の花をつける。花序は長さ1.5〜3cm、よく分枝し、短毛を密生する。花は単生または雑居性(雌雄同株)、花被片は5個、舟形で長さ約2mm、黄緑色、外面は有毛。雄しべは5個、花被片と対生し、雌しべは1個、倒卵形、花柱は短く、先端で2裂し、点状。
果実(核果)は卵球形、径3〜4mm、黒熟する。核はやや扁平な円盤状で、表面に網状紋がある。
- 分布・生育地 :
九州(屋久島、種子島以南)〜沖縄、小笠原諸島 (国外:中国(南部)、台湾、東南アジア〜インド、オーストラリア) 日当たりのいい場所
- 花期 : 3〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2019年4月4日 沖縄県国頭郡 中1・全体2 同 上 (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック) 中2・花序、中3・花 同 上 中4・若い果実 2013年6月26日 東京都小笠原諸島 左下・果実 2015年10月9日 沖縄県名護市 右上・葉(表) 2019年4月4日 沖縄県国頭郡 右下・葉(裏) 同 上
- 撮影記 :
エノキの名はついているが、エノキとは属が異なっていて、花の感じも違う。
ただ、葉の質感など似ている所もあり、葉裏が絹毛で銀白色を帯びることとあわせ、和名がつけられた理由も納得できる。
南の島の林縁などで大木を見かけるが、写真のように花は小さく、花の様子を近くで観察するのは容易ではない。
写真は沖縄東北部、谷から伸びた木が林道に高さまで達していて、近くで花を見ることができた。
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