クロヅル(黒蔓)

Tripterygium regelii


クロヅル

  • 科名・属名 : ニシキギ科 クロヅル属

  • 特徴 :
     長さ数mになる落葉性つる植物。
     本年枝は黄褐色〜赤褐色、低く不明瞭な稜があり、全年枝は濃紫褐色で古くなると灰色になる。
     葉は互生し、各年枝ごとに4〜10個つき、葉身は卵形〜楕円形、長さ5〜15cm、幅4〜10cm。先は急鋭尖頭、基部は浅心形〜くさび形、縁には大きな浅い鋸歯がり、両面とも無毛。葉柄は長さ1〜4cm。
     雌雄同株。花は枝先に円錐花序となり、径約6mmの小さな花を多数つける。花は5数性で花弁は白色、長楕円形、縁には不揃いな微鋸歯がある。花盤は環状、径約2mm、雄しべは5個で花盤の縁につく。雌しべの下半部は花盤と合着し、両性花の花柱は長さ1.5〜2mm。花柄は6〜8mm、中央より少し下に関節がある。萼裂片は楕円形、長さ約0.7mm。
     果実(翼果)は淡緑色、3翼があり、長さ幅とも1.2〜1.8cm。両端は凹入し、花柱を宿存する。種子は黒褐色で長さ約4mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(東北地方〜関東北部、北陸、中国山地)、四国、九州 (国外:朝鮮、中国、台湾、ミャンマー)
     山地の林縁、林内

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2018年7月24日  群馬県尾瀬
     中上・花序1 2018年8月4日  福島県吾妻山
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序2 2018年7月24日  群馬県尾瀬
     左下・花    同  上
     右下・葉 2018年8月4日  福島県吾妻山

  • 撮影記 :
     山地性の花で決して珍しいものではないが、これまで注意を払ってこなかったせいか未撮影になっていた。
     樹の花を本格的に撮影し始め、今度出合ったらと思っていたところ、久し振りに訪れた尾瀬ですぐに花に出し、そのすぐ後にも福島県で出合った。
     植物の写真撮影は最初、綺麗なものや珍しいものに惹かれてはじめることが多いが、興味の外にある花は出合っていても気がつかずにいることが多い。
     興味の方向や撮影範囲が広がってくると、以前撮影に訪れた同じ場所でも全く見える植物が変わり、ますますのめり込みそうで恐ろしい。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
花序1

花序2

花