ヤッコソウ(奴草)

Mitrastemon yamamotoi


ヤッコソウ

  • 科名・属名
  • : ラフレシア科 ヤッコソウ属

  • 特徴

  •  草丈4〜7cmの寄生の1年草。
     スダジイなどシイ属の根に寄生する。
     花茎には3〜8対(普通6対)の鱗片葉が直角に対生し、その先に花をつける。
     花は、最初はクリーム色で筒形の雄しべが帽子のようになっていて、先端部を葯帯が取り巻いている。
     成熟してくると雄蕊筒は抜け落ち、中から雌しべが現れる。雌しべの柱頭は白色で、受精すると黒くなる。

  • 分布・生育地

  •  四国〜沖縄 シイ類の根に寄生

  • 花期
  • : 11月

  • 撮影月日・場所

  •  1987年11月15日 徳島県海部郡
     群落 1989年11月26日 同上
     拡大写真あり(下の写真をクリック)

  • 撮影記

  •  奴さんのような形をしているところから和名が付けられている。花の形も面白ければ、受精の経過も一風変わった植物である。
     最初は帽子のように雄しべがあり、成熟してくると雌しべが膨らみ、雄しべの帽子を押し上げる。写真でも、中央に押し上げられて取れかかった雄蕊筒や、左に取れた雄蕊筒が見える。
     雄しべの帽子が取れたあとは、柱頭の白い雌しべが現われてくる。
     奴さんが手を広げた部分には密がたまり、鳥や虫がその蜜を吸いにくる。写真でも、中央左右に蜜があり光っている花が見える。
群落