ミズオトギリ(水弟切)

Triadenum japonicum


ミズオトギリ1


  • 科名・属名 : オトギリソウ科 ミズオトギリ属

  • 特徴 :
     草丈15〜100cmの多年草。
     茎は直立してあまり分枝せず、基部は赤みを帯びることが多い。
     葉は対生、葉身は楕円状披針形〜卵状楕円形、長さ(1〜)2〜8cm、幅(0.5〜)1〜1.7cm。先は鈍頭〜凹頭、基部は浅心形でやや茎を抱き無柄、全縁。脈は裏面に隆起し、内側と縁に明点だけがある。秋には紅葉する。
     花は茎頂または葉腋に1〜5個つき、淡紅色で径約1cm。花柄は長さ1〜3mm。苞と小苞は披針形で宿存する。花弁は5個、狭倒卵形〜楕円形、長さ6〜7mm、幅2〜3mm。内側に明点があり、辺縁に腺点はない。萼片は5個、卵状楕円形で、長さ3〜4mm、幅約2mm、赤褐色を帯び、内側に腺点があり、辺縁に腺点はない。雄しべは9個、長さ約4mm、3束にまとまり、半ばまで合着する。仮雄しべは3個、長さ約1mm、鱗片状で卵形〜円形、倒黄色。花柱は3個、長さ1.5〜1.75mm。花は午後3〜4時頃開き、夕方萎む一日花である。
     果実(刮ハ)は狭楕円形〜倒円錐形、長さ5〜10mm、全長のおよそ半ばまで胞間裂開する。種子は長楕円形で暗褐色、長さ約1mm。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国(東北部)、ロシア沿海地方)
     池、沼や湿原

  • 花期 :  (7〜)8〜9月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2010年8月21日  新潟県十日町市
     中上・全体2 1994年9月2日  大分県大分郡
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花1 2010年8月21日  新潟県十日町市
     中下・花2 2023年7月5日  東京都八王子市
     左下・果実(刮ハ) 2023年8月19日    同  上
     右上・葉 2023年7月5日    同  上
     右下・葉(裏)    同  上

  • 撮影記 :
     野の花には、午前中または午後しか咲かない花、あるいは夜咲く花など、咲く時間帯が決まっている花も多い。
     オトギリソウの仲間は、多くが午前中を中心に咲くものが多いが、この花は午後の一定時間にならないと咲かないという特徴がある。
     遠征の花見行では、帰りの時間を気にしながら開花するのを待たされる破目になる。
     新潟県で見た株は、咲く前はさほど目に付かなかったが、3時を過ぎたあたりから花が咲き始めると、今まで見たことのないほど花付きのいい株が多くびっくりした。

  • 葉

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
ミズオトギリ2

花1

花2

果実(刮ハ)