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- 科名・属名 : センリョウ科 チャラン属
注.APGV、W分類では、学名(C. quadriffolius)
- 特徴 :
草丈15〜30cmの多年草。
短く横に這う根茎から、数本〜十数本の茎が直立する。
茎は初め紫褐色でのちに緑色になり、無毛。
茎の下部の3〜4節には膜質の鱗片葉があり、上部に大型の葉がある。
葉は対生するが、茎頂の大型の葉の節間はごく短いため4個が輪生しているように見え、葉身は楕円形〜卵状楕円形、長さ4〜9cm、幅2〜7cm。先は急に狭まって尖り、基部は鋭形、縁には尖った鋸歯がある。質は薄く、両面無毛。葉柄は長さ0.5〜1.5cm。
花は葉が展開する前に、茎頂に1本(ごく稀に2本)の穂状花序を伸ばし、1〜2cmの花序に密に多数の花をつける。花序は果期には2〜3cmになる。苞は半円形で横に広く、長さ約0.5mm、先は平いらで浅く2〜3裂する。花は1個の雌しべと3個の雄しべからなり、雄しべは3個で基部で合着し、うち中央の1個の雄しべが3分岐し、葯隔は糸状に伸び、白色で長さ3〜5mm、中央の雄しべは普通葯がなく、両側の2個の雄しべの外側にそれぞれ1個の黄色の葯がつく。子房は長さ約1mm。
果実(石果)は球形で淡緑色、長さ2.5〜3mm。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国(北部、東北部)、ロシア(アムール、ウスリー、サハリン)) 山地の林内
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1986年4月29日 山梨県三ツ峠 中上・全体2(花茎2本) 2004年4月29日 長野県佐久市 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花、左下・花2(花茎2本) 同 上 右下・葉 1978年4月9日 静岡県焼津市
- 撮影記 :
春先、写真のようにまだ展開しない葉の中から花序を伸ばし、穂状に白いブラシのような花をつける。
群生していることが多く、一人静という優雅な和名からするとにぎやかな感じだ。
それでも、葉が開く前のこの状態の咲き方が一番名前に似合うような気がする。
中上の花は長野県で偶然見つけたもので、全ての茎から2本の花茎が上がる珍しいタイプで、名前に似合わず賑やかな様子だった。

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