イワセントウソウ(岩仙洞草)

Pternopetalum tanakae


イワセントウソウ1

  • 科名・属名 : セリ科 イワセントウソウ属

  • 特徴 :
     草丈10〜30cmの多年草。
     細長い地下茎が横に這い、一部肥厚する。
     茎は単一で細く、分枝しない。
     根出葉は2〜3回3出羽状複葉で長い柄があり、小葉は深く切れ込む。茎葉は普通1個、1〜2回羽状複葉となり、羽片は線形ぜ全縁、長さ1〜3cmであるが、時に根出葉と同形になる。
     花は茎頂に複散形花序となり、10〜20個ある細い花茎の先に、小さな花を総状に普通2個つける。小散形花序はごく小さい。花弁は5個、卵形で平たく、白色。総苞片はない。
     果実(分果)は卵形で無毛、長さ2〜2.5mm。分果の横断面は円形、果皮は薄く、隆条は細くて目立たない。油管は細く、各背溝下に1個、合生面に2個ある。

  • 分布・生育地 :
     本州〜九州 (国外:朝鮮、中国)
     深山のやや湿った林下

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2007年6月16日  長野県上高地
     中上・全体2 2006年7月8日  長野県八ケ岳
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序    同  上
     中下・花 2015年5月30日  山梨県南巨摩郡
     左下・果実(分果) 2020年7月2日  静岡県富士山
     右上・根出葉 2015年5月30日  山梨県南巨摩郡
     右下・茎葉 2020年7月2日  静岡県富士山

  • 撮影記 :
     テンナンショウの仲間を探しに入った針葉樹林下、コケの生える林床に小さな白い花が見えた。イワセントウソウだ。花だけでなくすでにいくつか果実になっているものもある。
     セリ科の花は白い小さな花が集まってつき、どれも似たような感じの花が多いが、この花は放射状に伸びた細い茎とその先に付く花が特徴的で、花の一つ一つが自己主張しているようだ。花と実のバランスもなかなかいい感じだ。
     また、茎につく葉と根出葉は形も大きく違い、まるで別の花の葉のようである。

  • 根出葉

    茎葉

    同じ科の仲間の花
イワセントウソウ2

花序

花

果実(分果)