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- 科名・属名 : セリ科 ウマノミツバ属
- 特徴 :
草丈20〜50cmの多年草。
茎は単一、花茎状となる。
葉は全て根出葉、径4〜10cm、3全裂し、側片はさらに2裂し、粗い鋸歯がある。葉柄は長さ10〜30cm。
茎頂に対生する葉状の総苞片をつけ、総苞片は3全裂する。花はその中心部から3本の花柄を出し、先に小さな散形花序を作り、小さな花を密生する。花は無柄で丸く密生し、扁球状となり、卵状披針形の萼歯片は上を向き、花弁は暗紫色。
果実は短円錐形で、長さ3〜4mm、先が曲がった刺毛を密につける。
- 分布・生育地 :
本州(岩手、長野県) (国外:朝鮮、中国(東北部)、モンゴル、アムール、ウスリー) 山地の草地
- 花期 :
- 撮影月日・場所 :
上・全体 1996年6月1日 長野県 中・全体2、以下全て(除く葉) 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 右下・葉 2017年5月30日 同 上
- 撮影記 :
白い花の多いセリ科の中で、黒紫色の花は一際異彩をはなっている。
花の色に加え、分布が岩手県から飛んで長野県というのも撮影意欲をそそる花だ。
そんな花を探しに出かけた長野県のある山あい、車を止め探し始めた道端ですぐにこの花が見つかった。 あまりのあっけない出会いに拍子抜けだった。
あたりを探したが他には見つからず、ごく狭い範囲だけに生き延びているようだ。
こんな貴重な花が道端に無造作に咲いているのを見ると、盗られてなくなりはしないかと心配になったが、小さくて地味な色であることがこの花の幸せとなっているのだろう。
しかし、20数年後訪れると、以前はなかった建物ができたり、周囲の樹木が生長して日陰になったせいか、貧弱な葉がわずかにあるだけで絶滅寸前の状態だった。
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