|
- 科名・属名 : シキミ科 シキミ属
注.APG分類ではマツブサ科(SCHISANDRACEAE)、属名以下同じ
- 特徴 :
高さ2〜5(-10)mの常緑小高木。
樹皮は帯黒灰褐色でやや平滑、枝は緑色。
葉は互生して枝先に集まってつき、葉身は倒卵状長楕円形〜長楕円形、長さ4〜12cm、幅1.5〜4cm。両端は尖り、全縁。質は革質で厚く、油点があり、傷つけると抹香の香りがする。葉柄は長さ7〜20mm。
花は葉腋につき、径2.5〜3cmで黄白色。花被片は10〜20個、楕円形で外側のものはやや幅広くて短く、内側のものは細長くて線状長楕円形、長さ10〜18mm、多少波状によじれ、光沢がある。雄しべは約20本、雌しべは多くの場合8個の心皮が集まる。花柄は長さ5〜30mm。
果実は側面が合着した袋果の集まりで、扁平な8角形となり、径2〜3cm。種子は黄褐色で光沢があり、楕円形で扁平、長さ6〜8mm。
花が淡紅色を帯びるものがあり、
ウスベニシキミ(f. roseum)(中下の写真)という。
- 分布・生育地 :
本州(宮城県以南)〜九州 (国外:朝鮮(済州島)、中国、台湾) 山地林内
- 花期 : 3〜4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2013年4月17日 神奈川県箱根 中上・全体2 2003年5月16日 愛媛県上浮穴郡 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花 2013年4月17日 神奈川県箱根 中下・ウスベニ花 2017年5月18日 鹿児島県屋久島 左下・果実 2019年7月2日 東京都伊豆諸島 右上・葉(表)、右下・葉(裏) 同 上
- 撮影記 :
写真は自生の株を撮影したものであるが、神社、お寺、墓地などによく植えられていることや、有毒(特に果実は猛毒)に加え、和名も「悪しき実」がなまったものとわかり、何となく敬遠気味の花であった。
ただ調べると、葉や樹皮を粉末にして香として用いることや、中華料理に使われる八角もこの種の仲間(トウシキミという別種)とのことで、結構役に立つ植物であることがわかった。
ここではシキミ科としているが、マツブサ科とは強い類縁関係にあり、APG分類ではマツブサ科に含められている。
同じ科の仲間の花
|