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- 科名・属名 : スイレン科 ジュンサイ属
注.APG分類では、ジュンサイ科(CABOMBACEAE)
- 特徴 :
水中に生える多年草。
根茎は泥の中を這い、葉を水面に浮かべる。
葉は楕円形で楯状につき、長さ5〜10cm、裏面は紫色を帯びる。
花は腋性した長い花柄の先に1個つき、紫褐色〜暗紅紫色で1.5〜2cm。花被片は同花被で長楕円形、3個ずつが内外の2輪に並ぶ。雄しべは12〜24本。
果実は袋果状で裂開せず、花柱は宿存した花被片に包まれる。
若芽はぬるぬるした粘着質を被り、これを吸い物の実や酢の物として食用としている。
- 分布・生育地 :
日本全土 (国外:東アジア〜インド、オーストラリア、西アフリカ、北アメリカ) 古い池、沼
- 花期 : 5〜8月
- 撮影月日・場所 :
2016年6月9日 徳島県板野郡 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中以下全て 同 上
- 撮影記 :
急な山道を登った中腹あたりに、常緑広葉樹に囲まれた静かな佇まいの沼が広がっていた。
目を凝らすと点々と、水面上に顔をのぞかせている暗紫色の花が目に入ってきた。
望遠レンズをつけて覗くと、上に伸びた雄しべがよく目立ち、花被片の下から花柄にぬるぬるした粘着物がついているのがよくわかった。
若芽も同じような粘着物に被われ、これを採取して汁の実などにする和食の食材だが、自生のものは少なくなっているという。
もっと近づこうと沼に足を踏み入れると、これまた珍しくなったヒルが水中をひらひら泳ぎながら何匹も近寄ってきた。
水質がやや酸性に偏り、有機物の多い古い湖沼に生えるというが、ヒルにとっても住みやすい場所なのだろう。
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