|
- 科名・属名 : スミレ科 スミレ属
- 特徴 :
草丈3〜5cmの常緑の多年草。
無茎種。地下茎は細くて短く、細い匐枝を地上に伸ばし、その先に新株を作る。
葉は互生、ロゼット状で、葉身は楕円状卵形〜卵形、長さ幅とも0.5〜1cm。先は円頭〜鈍頭、またはわずかに凹み、基部は切形〜心形、縁に円くて粗い鋸歯が2〜3個ある。質はやや厚く滑らかで光沢があり、表面は緑色で葉脈が凹み、裏面は淡緑色、縁に短毛がある。葉柄は長さ1〜3cm。
花は白色で中心部が黄緑色を帯び、径0.8〜1(〜1.5)cm、葉や植物体の大きさに比べると大きい。花柄は長さ2〜3cm。花弁は上弁と側弁は倒卵形で先は鈍頭で、長さ4〜7.5(〜10)mm、幅2.5〜3mmと細く、側弁は1〜3個の淡紅紫色の条があり、基部は無毛。唇弁は他の花弁より小さく、長さ4〜5mm、幅1.5〜2mm、数個の濃紅紫色の筋がある。萼片は披針形で先はやや鈍頭、長さ2.5〜3mm、緑色で毛があり、付属体は半円形で全縁。
果実(刮ハ)は楕円形で鈍頭、長さ2〜3mm。
- 分布・生育地 :
九州(奄美大島)、沖縄(本島) 山地の沢沿いの湿った岩上
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2005年5月2日 鹿児島県奄美大島 中・全体2、以下全て 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・ 年月日 右下・ 年月日
- 撮影記 :
今にも雨の降り出しそうな原生林内の林道は、レンタカーで走るのにはかなり厳しい道だった。途中で車はあきらめ、片道7kmも林道歩きをする羽目になった。
さらに川に降り遡行すると、所々にアマミノクロウサギの溜め糞が見られ、ハブの存在が色濃く感じられた。
やっとたどり着いた自生地は滑り易い岩上だったが、そんな苦労を忘れさせてくれるかのように1花だけだったが、可愛い花を咲かせていた。
奄美大島と沖縄本島の沢沿いの岩上にわずかに見られるものの、日当たりなどわずかな環境条件の違いにより花を咲かせない場合も多いようだ。
同じ科の仲間の花
|