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- 科名・属名 : スミレ科 スミレ属
注.APGV、W分類では、学名(V. kamtchadalorum)
- 特徴 :
草丈20〜40cmの多年草。
有茎種。地下茎は太く、分枝する。
葉は互生、根出葉は少数あるが、早く枯れて花時にはない。茎葉は3〜4個あり、葉身は円心形〜心形、長さ3〜7cm、幅3.5〜10cm。先は鈍頭〜短く尖り、基部は心形、縁には波状の鋸歯がある。質は柔らかく、表面は濃緑色、縁に沿ってわずかに凹み、裏面は淡緑色。托葉は離生し、卵形で長さ1〜2cmと大きく、縁は低い鋸歯があるか全縁。
花は、腋生で径2〜3cm、淡紅紫色。花柄は長く長さ6〜20cm。花弁は長さ15〜20mm、側花弁の基部は有毛。距は太くて短く、長さ3〜5mm。萼片は楕円形〜広披針形、長さ7〜10mm、付属体は四角形、先は少しへこむ。花柱は立襟形(カマキリの頭形)、上部は両翼が左右に張り出し、柱頭の周囲に襟を立てたように低い円筒状の隆起がある。
- 分布・生育地 :
北海道〜本州(中部地方以北) (国外:ロシア(千島列島・サハリン・カムチャッカ半島)) 湿原、原野、海岸草原、湿り気のある夏緑林下
- 花期 : 5〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2003年6月29日 長野県奥志賀高原 中・全体2 1980年6月22日 群馬県尾瀬ヶ原 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花 2003年6月29日 長野県奥志賀高原 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
花は葉腋から長い花柄を出して咲き、日本産のスミレの中では最大級の大きさの花をつける。
本州では中部地方以北の亜高山の湿原に生えるが、どこにでもあるというスミレではない。
北海道では比較的多く、海岸近くの原野や湿った林下などでも目にする。
比較的簡単に見られるのは尾瀬ヶ原で、6月頃少し伸びた草の間に薄紫色の花を見つけることができる。
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