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- 科名・属名 : スミレ科 スミレ属
- 特徴 :
草丈3〜8cmの多年草。
地下茎は分枝し、長さ10cm以上になり、節間は短く、円形で白色の鱗片状の托葉に包まれ、多数の太い根を出す。
葉は互生、根出葉は花時1〜3個あり、葉身は腎円形〜扁三角形、長さ1.7〜2.5cm、幅2.5〜3cm。先は短く尖り、基部は深い心形、縁には先が尖る低い鋸歯がある。質は厚く、暗緑色で光沢があり、脈はへこむ。葉柄は長さ6〜10cm。托葉は広卵形、長さ約4mm、、質は薄く、縁に不揃いな鋸歯がある。
花は1〜2個つき、径1.5〜2.5cm。花柄は長さ3〜4cm、上部に線形の小苞がある。。花弁は白色で中心部が淡黄色〜黄色、長さ8〜12mm。側弁は上でなく水平方向に開き、基部には短毛がある。距は長さ約2mm、嚢状で短い。花柱は筒形、先端部に向かって少し太くなり、長さ約2mm。萼片は狭披針形で鈍頭、長さ3〜4mm、付属体はごく小さく、半円形で全縁。
果実(刮ハ)は卵状で先は円く、黒褐色で長さ約7mm、
- 分布・生育地 :
北海道(知床半島) (国外:日本固有) 高山の砂礫地
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1992年7月11日 北海道知床半島 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
白い地で中心部が黄色という日本のスミレの中でも特徴的色合いを持ち、しかも知床半島の高山地帯にしか生えないという貴重さ故憧れのスミレだった。
ある年やっと出かける機会があったが、この花の咲く日帰りという強行登山となった。
あいにくその日はヤマセが吹き、山はガスで登るにつれて全身びっしょり、7月というのに寒さで歯の根が合わない。
それより、もっと背筋が寒くなったのは、登山道と平行に付いた踏み分け跡、あんな急な所はとても人間では付けられない。羆の存在が急に身近に感じられた。
案の定、ガスで5m先も見えない頂上の礫地でこの花を撮影していると、近く?から羆に吼えられた、金属的な感じの吼え声だった。
熊に吼えられたからと言ってすぐに引き返す訳にはいかない。「人がいるぞ。人がいるぞ」と大声を出しながら撮影したが、麓に下りるまで緊張が解けることはなかった。
今でもその時が鮮明に思い出される印象的な花見行となった。
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