シロコスミレ(白小菫)

Viola lactiflora


シロコスミレ1


  • 科名・属名 : スミレ科 スミレ属(ミヤマスミレ節)

  • 特徴 :
     草丈8〜10cmの多年草。逸出帰化?
     無茎種。根は長くて太く、1〜数本出る。
     花時の葉は、長三角状披針形で、長さ3〜8cm、幅2〜4cm。基部は浅い心形か切形。花後、基部の両側が広がった長三角形になり、大きいものは長さ13cm、幅7cmになる。
     花は径1.5〜2cm、白色で上弁が反り返り、側弁が唇弁に対し直角に立つ傾向があるが、そうでないものもある。花弁は長さ1.4〜1.6cm、幅6〜8mm、唇弁だけに少数の淡紫条がある。側弁の基部は有毛で、上弁は反り返る傾向がある。距は円筒形、長さ3〜4mm、緑色を帯びる。花柱上部は虫頭形であるが両端はあまり膨らまず、中央が高く、柱頭部は短い。萼片は広披針形〜披針形、長さ0.9〜1.1cm、付属体は少数の歯牙があり、縁毛はない。
     果実(刮ハ)は長楕円形で鋭頭、長さ1.2〜1.4cm、淡緑色で無毛。

  • 分布・生育地 :
     九州(対馬)(帰化?) (国外:朝鮮、中国)
     林縁、道端

  • 花期 : 4月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2008年4月6日  長崎県対馬
    中・全体2    同  上
    (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     「先週は全く見えなかったから、無理かもしれない」と地元の植物研究家Kさんの一言。春の花を目的に訪れた対馬、今年は冬の寒さで花は遅れ気味とのこと、最大の目的がこのスミレだっただけに、地元のKさんの言葉はずっしりと響く。
     それでも駄目もとで地元の花仲間のNさん一家やIさん、植物写真家のIさんと現地に赴く。車を止めしばらく歩いた草むら、Kさんの「この辺・・」との言葉の終わらぬうちに白いスミレが目に入った。
     咲いている、しかも状態もバッチリ、来た甲斐があった。初めて見る白いスミレは、思ったよりふくよかな感じの花弁だった。近くを探すと、数株花をつけていた。
     ただ、現地は人家こそないものの、全く人の臭いが感じられない場所ではない。朝鮮半島や中国に自生しているが、対馬の自生地は自生か逸出か判断の分かれる場所だ。スミレに詳しい写真家のIさんも、どちらとも断定はしなかった。
     国内では各地で栽培されるが、非常に増えやすいらしく逸出野生化している例も多いようだ。

  • 葉

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シロコスミレ2

花