ツクシスミレ(筑紫菫)

Viola diffusa


ツクシスミレ1

  • 科名・属名 : スミレ科 スミレ属

  • 特徴 :
     草丈3〜10cmの多年草。
     全体に粗い毛があり、地上に匍枝を伸ばして新苗を作る。
     葉は平開し、葉身は楕円形〜卵形、長さ1.5〜3cm。先は鈍頭で、基部は切形〜くさび形。縁に波状の鈍鋸歯がある。質は薄く、鮮緑色で両面有毛・
     花は小さく径約1cm、白色で内側は黄色で外に行くに従い淡紫色を帯びる。側弁は無毛。唇弁には紫条が入り、他の花弁より明らかに短い。距は太くて短く、長さ約1.5mm。花柱はカマキリの頭形で、上部両翼は左右へ張り出し、柱頭は嚢状。
     果実(刮ハ)は楕円状、長さ6〜7mm。

  • 分布・生育地 :
     九州(長崎、熊本、鹿児島)〜沖縄(本島) (国外:台湾、中国(中南部)〜ヒマラヤ、フィリピン)
     人家付近の石垣、道

  • 花期 :   2〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2007年3月23日  鹿児島県鹿児島市
     中上・全体2    同  上
     中下・全体2 2019年4月12日    同  上
     (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花 2007年3月23日  鹿児島県鹿児島市
     右上・葉 2015年4月7日    同  上
     右下・匐枝 2019年4月12日    同  上

  • 撮影記 :
     屋久島を訪れる前、春の鹿児島市内を歩いてみた。目的はこのスミレである。
     人家近くに多いため、自生でなく逸出ではないかと疑われており、それならここで見つかるだろうと出かけた場所で、予想に違わず可愛いスミレを見つけた。
     花は基本種の中でも最も小さいものの、丸っこい花弁と淡い紫色の花は見てわかるように、スミレの中でも美麗種に属すると思う。楕円形の葉も他のスミレにはない特徴だ。
     3月というのに最高気温が20度を超え、初夏を思わせる穏やかな春の一日、こんな可愛い花を眺める幸せを満喫した。

  • 葉

    匐枝

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