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- 科名・属名 : タデ科 ミズヒキ属
注.APG分類では、イヌタデ属(Persicaria)
- 特徴 :
草丈40〜80cmの多年草。
茎は中実で直立し、まばらに枝を分け、伏毛がある。
葉は互生し、広楕円形〜倒卵形で、長さ5〜15cm、幅4〜9cm。先は鋭く尖り、基部は広いくさび形で全縁。両面に毛があり、中央部にしばしが黒色〜帯紫色の斑がある。葉柄は短く、上部の葉は無柄。托葉鞘は膜質、褐色で、表面と縁に毛がある。
花は茎の先に長さ約30cmの細い総状花序となり、小さな花をまばらにつける。花は横向きで、花被片は4裂し、上3個は赤く、下1個は白い。
果実(痩果)はレンズ状の卵形で萼に包まれ、先がカギ状になった花柱が残り、長さ約2.5mm、褐色で光沢がある。
花が白色のものがあり、
●ギンミズヒキ(f. albiflora)といい、ミズヒキと混生していることがある。
- 分布・生育地 :
日本全土 (国外:朝鮮、中国、フィリピン、東南アジア〜インド(東部)) 山地や低地の林縁や林下
- 花期 : 8〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1988年10月10日 和歌山県東牟婁郡 中上・全体(ギンミズヒキ) 1999年9月23日 神奈川県三浦半島 中中・全体3(キン・ギン混生) 年月日 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 2008年9月28日 東京都高尾山 左下・果実 2017年9月21日 東京都清瀬市 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
長い花序につく花が赤白からなり、見る角度によって2色に見えることから、お祝い事の熨斗に使う水引に似ているとのことで和名が付けられているが、あまり似ているという気はしない。
秋、道端の木陰でよく見られるが、遠くから見ると赤い花穂がはっきりわかるのに、いざ写真に収めようとすると、草丈が高い割りに花は小さいので、花が背景に溶け込んでなかなか思い通りの絵が撮れない。
花被片が赤白でなく、稀に全て白いものもあり、ギンミズヒキ(中上の写真)という品種となっている。
神奈川県の三浦半島で見かけた花(中中の写真)は、紅白のミズヒキが混じりあい名前にふさわしい華やかな雰囲気だった。
果実(左下の写真)は、花柱の先がかぎ状になっていて、これが服や動物などにくっつき運ばれるという仕組みだ。
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