ヌカボタデ(糠穂蓼)

Persicaria taquetii


ヌカボタデ(群落)

  • 科名・属名 : タデ科 イヌタデ属

  • 特徴 :
     草丈10〜60cmの1年草。
     茎は下部は地を這って根を出し、上部は直立して多数分枝して無毛。
     葉は互生し、長披針形〜狭被針形で、長さ2〜8cm、幅3〜12mm。先は鋭尖頭で基部はくさび形。質は薄く、淡緑色、両面に伏毛があり、裏面に腺点はない。托葉鞘は筒形、長さ4〜6mm、同長の縁毛があり、基部では密に、上部では疎らに毛がある。
     花は枝先にまばらな穂状の総状花序となり、花被は紅色で1.5〜2.2mm、5深裂する。
     果実(痩果)は卵円形で3稜形かレンズ形、長さ1.4〜2mm、黒褐色で光沢がある。

  • 分布・生育地 :
     本州〜九州 (国外:朝鮮(済州島)、中国(東部))
     湿地、水辺

  • 花期 :   7〜11月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2009年10月10日  静岡県静岡市
     中上・全体2 2004年9月19日 栃木県渡良瀬遊水地
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2009年10月10日  静岡県静岡市
     左下・花、右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     渡良瀬遊水地の植物をよく調べられている栃木県の大和田さんのHP、「渡良瀬遊水地の植物」にも絶滅危惧植物の一つとして載せられているこの花、以前訪れた時初めてこの花を見た。
     数年後、久し振りに立ち寄ってみたが見つけられない。「最近は出ていないみたいだ」と近くで模型飛行機を飛ばしていた人が言う。目立たない植物をよく知っているなと思ったら、数年前、撮影している時行き会った人だった。
     この花、湿地を掘り起こしたような場所で見かけることが多い。撹乱されることにより、眠っていた種子が目を覚ますようだ。しかし、その場所が落ち着いてしまうと、また消えてしまう。2008年、久し振りに静岡市の湿原で出会った。

  • 葉

    托葉鞘

    同じ科の仲間の花
ヌカボタデ2

花序

花