アブラギリ(油桐)

Aleurites cordata


アブラギリ1


  • 科名・属名 : トウダイグサ科 アブラギリ属
     注.APG分類では、属の学名(Vernicia)、種小名変わらず

  • 特徴 :
     高さ8〜16mの落葉高木。逸出帰化
     幹は太さ60cmになるものもあり、樹皮は淡灰褐色で楕円形の皮目がやや密に横に並ぶ。枝も太く、初め淡緑色。2年目以降は暗褐色になる。
     葉は互生、葉身は卵形〜広卵形で、長さ12〜20cm、幅8〜16cm。先は3浅裂するものが多く、基部は心形〜切形、縁に鈍鋸歯がある。表面は無毛で、裏面は脈上に白色または褐色の毛がある。葉柄は長さ6〜12cmで淡紅色を帯びる。
     花は雌雄同株で、枝先に円錐花序となる。花は白色であるが開花後花弁の基部や花糸は紅色を帯び、径約2cm。雄花序は幅16〜25cm、雌花序は幅9〜12cm。萼は筒状、長さ7〜8mm、花時に2裂する。花弁は5個、倒卵形〜扇形、長さ15〜18mm、雄しべは(7-)8〜12(-14)個で2輪に並び、外側の雄しべは5個、花糸は長さ7〜9mm、内側の雄しべは合着し、下半分に褐色の毛を密生する。子房は3室で楕円形、花柱は3個、長さ5〜6mm、2裂する。
     果実(堅果)は扁球形で、長さ2〜2.5cm、幅約2.5cm。3室からなり、熟しても裂開せずに中に3個の種子が入る。種子は扁球形、長さ約1.3cm。

  • 分布・生育地 :
     本州(中部地方以西)〜九州 (国外:日本固有)
     山地

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2012年6月15日  千葉県君津市
     中上・全体2 2006年5月28日  鹿児島県屋久島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花    同  上
     左下・果実(刮ハ) 2012年7月31日    同  上
     右下・・葉 2012年6月15日  千葉県君津市

  • 撮影記 :
     この樹の種子から印刷用のインクや家具や漆器の艶出しに使われる桐油を採取したとのことで、広く栽培されている。
     以前は自生種ではないのかもしれないとの考え方があったが、最新の図鑑では原産地とされた朝鮮・中国・台湾には分布しないとされている。
     千葉県で写したのはダム湖の湖岸に生えていたもので橋の上から撮影し、屋久島で撮影したものは林道沿いながらかなり奥深い山地に生えていて、自生の考え方が納得できる。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
アブラギリ2

花

果実(刮ハ)