カンコノキ(餲餬木)

Glochidion ovovatum


カンコノキ1(雄花)


  • 科吊・属吊 : トウダイグサ科 カンコノキ属
     注.APG分類では、コミカンソウ科(PHYLLANTHACEAE)、コミカンソウ属(Phyllanthus sieboldianus)

  • 特徴 :
     高さ1~6mの落葉または半落葉低木~小高木。
     枝はよく分枝し、先端部分はしばしば刺状になる。
     葉は互生し、葉身は下部のものでは倒卵形~くさび形、上部のものは狭倒卵形、長さ2.5~5.5cm、幅1.5~2.5cm。先は鈊形~円形ときに尖り、基部はくさび形、縁は全縁。両面とも無毛、裏面はやや粉白を帯びる。葉柄はないか3mm以下。
     花は雌雄異株時に同株、葉腋に小さな花を束生し、白色で花弁は無く、萼片は6個で2輪に配列し、卵状楕円形、長さ約1.5~2mm、平開する。雄花には約1cmの柄があり、雌花の柄は約1mmと短い。花柱は合着して根棒状になり、萼片よりやや長い。
     果実(蒴果)は扁球形、径約6mm、4~5個の分果からなり、褐色に熟し、分果は2裂し、中に2個の朱色の種子が入る。

  • 分布・生育地 :
     本州(近畿地方以西)~沖縄 (国外:中国(南部)、台湾)
     低地~山地のやや乾いた林縁や痩せ地

  • 花期 :  6~10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2023年5月10日  鹿児島県奄美大島
     中上・全体2 2017年5月19日  鹿児島県屋久島
     中下・全体3、左下・花    同  上
     (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック)
     右上・葉1 2023年5月10日  鹿児島県奄美大島
     右下・葉2 2017年5月19日  鹿児島県屋久島

  • 撮影記 :
     屋久島の低地の登山道、沢が見えたので登山道から離れ、大きな花崗岩の岩場から流れを見下ろした。
     青い空に映える白いシャリンバイの花を写していると、岩場の上に伸びた樹に小さな花が咲いているのが目に入った。
     花はまだ咲き初めで蕾のものが多かったが、花から見てカンコノキの仲間だと思って撮影した。
     この仲間は南方に分布するものが多いが、この種は本州(近畿地方まで)と最も北まで分布している。

  • 葉1

    葉2

    同じ科の仲間の花
カンコノキ2(雄花)

カンコノキ3(雄花)

花(雄花)