ケナガエサカキ(毛長柄榊)

Adinandra yaeyamensis


ケナガエサカキ1

  • 科名・属名 : ツバキ科 ナガエサカキ属
     注.APG分類では、サカキ科(PENTAPHYLACACEAE)、属名以下変わらず

  • 特徴 :
     高さ5〜7mの常緑小高木。
     小枝には密に伏毛があるが、後に無毛となる。
     葉は2列生、葉身は楕円状卵形〜倒卵形、長さ5〜9cm、幅2〜3.5cm。先は鋭頭または次第に尖り、基部はややくさび形、縁には不明瞭な小さな鋸歯がある。質は革質、表面は暗緑色で無毛、裏面は淡緑色でやや粉白を帯び、伏毛がある。葉柄は長さ5〜9mm。
     花は下垂する長さ1.5〜2.5cmの長い花柄の先につき、花弁は広楕円形〜卵形、淡黄白色でやや紅色を帯び、長さ約7mmで萼片よりやや長く、先は鈍頭〜やや鋭頭、背面の上半部に密毛がある。子房は球状、長毛を散生し、花柱は長さ約1cmで有毛。萼片は広楕円形〜ほぼ円形、長さ約5mm、先は円頭〜鈍頭、背面に伏毛を散生する。
     果実(液果)は球形〜卵形、長さ7〜8mm、淡紅色に熟し、散毛があり、先に花柱を残存する。

  • 分布・生育地 :
     沖縄(石垣・西表島) (国外:日本固有)
     山地の林縁

  • 花期 :  4〜5月(?)

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2019年5月9日  沖縄県西表島
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     林道の最奥部の林縁、濃緑色の葉陰に沢山の白っぽい花がぶら下がっていた。
     和名の由来である花柄は長く、また花冠から突き出た花柱も長く、面白い形の花だ。
     ただ、花冠はほとんど開いていないが、地元の花仲間によるとこれが精一杯の開花ということらしい。
     沖縄石垣・西表島の固有種で数も少ないようで、図鑑でも花の写真を掲載したものが見当たらなかったが、図鑑の記載にある「花は淡紅色」ではなく、写真のように「淡黄白色で外側が若干淡紅色を帯びる」というのが正しいのではないかと思う。
     また、図鑑には花期の記載もないので(沖縄の花は図鑑に花期の記載がないものが多い)、4〜5月(?)とした花期も現地での観察から推測したものである。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    枝

    同じ科の仲間の花
ケナガエサカキ2

花序

花

花柄