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- 科名・属名 : ツゲ科 フッキソウ属
- 特徴 :
高さ20〜30cmの常緑亜低木。
茎はよく分枝し、下部は地を這って不定根を出し、上部は斜上する。径は7〜9mmで緑色、肥大生長はしない。
葉は互生、上部の4〜6個は密についてやや輪生状になり、葉身は菱状倒卵形〜卵状楕円形、長さ3〜8cm、幅1.5〜4cm。先には1〜4個の粗い鋸歯があり、基部はくさび形になって葉柄につながる。質は厚く、深緑色で光沢がある。葉柄は長さ1〜3cm。
花は茎頂に3〜5cmの穂状花序となり、上部に15〜25個の雄花が、下部に1〜7個の雌花がつく。雄花の花被片は4(時に3)個、白色〜淡緑色、長楕円形で長さ2.5〜3.5mm。雄しべは4個、花糸は白色で太く、長さ7〜6mmで花被片より長く飛び出し、葯は紫褐色で長卵形、中央に1個の退化雌しべがある。雌花はの花被片は4個、下部の苞に連続して2輪に瓦重ね状に並び、卵形で淡緑色、長さ3〜4mm。雌しべは2(〜3)個、心皮からなり、花柱は2(〜3)個)、白色で花被片から飛び出てそれぞれ外曲し、子房は2(〜3)室、各室に1〜2個の胚珠が入る。
果実(石果)は卵球形、径約1.5cm、白色に熟し、花柱は宿存する。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:中国) 山地林下
- 花期 : 3〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2015年3月20日 神奈川県南足柄市 中上・全体2 2003年4月6日 東京都日野市 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 2015年3月20日 神奈川県南足柄市 左下・蕾 2020年3月11日 神奈川県伊勢原市 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
まだ野の花の咲き揃わない春先、林下を覆う深緑色の葉の間から花序を伸ばし白い花を咲かせるのがこの花だ。
和名のフッキソウ(富貴草)は常緑の葉が一年中茂る様子を永久の繁栄を表すとされ、庭のカバープラントとしてよく用いられている。
神奈川県西部のお寺に早春の花を撮影にいった帰り道、参道際の林下を覆うようにこの花が咲いていた。
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