キヅタ(木蔦)

Hedera ehimbea


キヅタ

  • 科名・属名 : ウコギ科 キヅタ属

  • 特徴 :
     長さ数メートルになるつる性の常緑木本。
     茎は樹幹や岩上を這い、樹皮は灰色、本年枝は緑色で黄褐色の鱗片毛があるが、後無毛になる。
     葉は互生、葉身は若枝では卵円状〜菱形状卵形、先は浅く3〜5裂し、基部は浅心形、縁は全縁。質は厚い革質で表面は光沢がある。葉柄は長さ1.5〜5cm。花をつける株の葉は、菱形状卵形〜卵状披針形、長さ3〜7cm、幅2〜5cm。先はやや鈍く、両面無毛。
     花は枝先に径2.5〜3cmの球形の散形花序を1〜数個つけ、黄緑色の花を多数つける。花弁は5個、長卵形で反り返り、長さ3〜4mm、外面は無毛で内面は短軟毛が密生する。花盤は暗紅色、雄しべは5個、長さ約3mm、葯は黄色で裂開すると褐色になる。萼筒は鐘形、先はほとんど全縁、黄褐色の鱗状毛がある。
     果実(液果)は球形で先端に花柱が残り、径6〜7mm、初め赤褐色で5〜6月ごろ紫黒色に熟す。種子は扁平な卵状楕円形、径約5mm。

  • 分布・生育地 :
     北海道(南部)〜沖縄 (国外:朝鮮)
     低地の照葉樹林お林縁、林内

  • 花期 :   10〜12月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2007年11月4日  静岡県下田市
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中上・花序    同  上
     中下・花 2014年11月7日  千葉県鴨川市
     左下・果実 2015年3月5日  群馬県高崎市
     右下・葉 2014年9月14日  大分県国東市

  • 撮影記 :
     花の少なくなる晩秋から初冬の頃、林縁などで樹冠や岩上を覆うように広がるツタが花を咲かせている。
     春から初夏には球状になり、紫黒色〜黒熟した果実を多数見かける。
     落葉性のツタと違い常緑なので、カバープラントとして公園や壁面の緑化に使われることも多いようだが、最近はセイヨウキヅタが使われることが多いようだ。
     冬に花を咲かせるのでフユヅタとも言い、ブドウ科のツタをナツヅタという。



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