タラノキ((木偏に怱)の木)

Aralia elata


タラノキ1

  • 科名・属名 : ウコギ科 タラノキ属

  • 特徴 :
     高さ2〜6mの落葉低木。
     茎は普通ほとんど分枝せず、若枝は太く、灰褐色の毛が生え、多数の刺があり、円い皮目がある。
     葉は互生、枝先に集まってつき、葉身は2回羽状複葉、長さ50〜100cm、葉軸は対生する小羽軸に分かれ、小羽軸には5〜9個の小葉がつく。小葉は卵形〜楕円形、長さ5〜10cm、幅3〜7cm。先は尖り、基部は円形〜浅心形、縁には不揃いの鋸歯がある。表面は曲がった粗い毛が散生し、裏面はやや白味を帯び、粗い毛が密生する。
     花は枝先に長さ30〜50cmの複散形花序を出し、小さな花を多数つける。花序の上部には両性花、下方には雄性の花序がつく。花弁は5個、三角状卵形で先が尖り、淡緑白色で長さ約2mm。花柄は長さ3〜5mm。雄しべと花柱は5個、両性花では雄しべが先に熟し、花弁や雄しべが落ちてから雌しべが熟す。花序柄や花序軸、花柄には褐色の縮れた毛が密生する。
     果実(液果)は球形、径約3mm、9〜10月頃黒熟する。種子は5個。扁平な卵状楕円形で長さ約2mm。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国(東北部)、サハリン、東シベリア、アムール、ウスリー)
     低地の二次林、崩壊した斜面や荒地

  • 花期 :   8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2012年7月31日  鹿児島県屋久島
     中上・全体2 2014年8月20日  岩手県花巻市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序 2013年9月16日  広島県東広島市
     中下・花 2014年8月20日  岩手県花巻市
     左下・果実(未熟) 2013年9月16日  広島県東広島市
     右下・葉 2014年8月20日  岩手県花巻市

  • 撮影記 :
     春先、低山地の林道を歩くと、茎に刺がいっぱい生え、先を折られた棒状の木が目に付く。高級な山菜として名高い「タラノメ」を折り取った跡だ。
     全ての新芽を折り取られ、夏には枯れ木となっている姿も良く目にする。
     それでも、少ないながら山菜取りの手を逃れた木が、夏には大きな花序となって花を咲かせる。
     山菜を取ることは否定しないが、翌年以降も木が生き残っていられるよう、いくらか新芽を残す配慮が望まれる。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
タラノキ2

花序

花

果実(未熟果)