ヤツデ(八手)

Fatsia japonica


ヤツデ1

  • 科名・属名 : ウコギ科 ヤツデ属
     注.APG分類では、学名(F. japonica var. japonica)

  • 特徴 :
     高さ1〜3(〜5)mの常緑低木。
     茎は大まかによく分枝し、若枝は緑色で褐色の長毛があるが、後無毛になる。2年目以降の茎は灰褐〜灰白色で無毛、上部に多数の葉痕がある。
     葉は互生、茎の上部に集まってつき、葉身は円形で深く5〜9裂し、径10〜40cm。裂片は狭長楕円形で先はやや長く鋭く尖り、基部は心形、縁には粗い鋸歯がある。質は厚くて光沢があり、展開したての葉や葉柄は最初褐色の毛に覆われが、後無毛になるが裏面には縮れた毛が少しのこる。葉柄は長さ20〜40cm。
     花は枝先に球形の散形花序を円錐状につけ、多くの白い花をつける。花弁は5個、卵形で長さ3〜4mm。雄しべは5個。萼は鐘形で長さ約3mm、萼歯は不明瞭。
     果実(液果)は扁球形、径5〜10mm、4〜5月に赤褐色〜黒紫色に熟し、先端には5個の花柱が残存する。

  • 分布・生育地 :
     本州(茨城県以南)、四国(太平洋側)、九州(南部) (国外:日本固有)
     海岸〜丘陵の林内

  • 花期 :   11〜12月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2013年12月6日  東京都稲城市
     中上・全体2 2014年11月10日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序 2013年12月6日    同  上
     中下・花    同  上
     左下・果実 2017年4月30日  千葉県
     右下 年月日  

  • 撮影記 :
     花が少なくなる秋〜初冬にかけ、海沿いや丘陵の林下で白い球形の花序をつけた花が目に付く。
     自生だけではなく庭木や公園などに植えられることも多く、掌状に裂けた大きな円形の葉が特徴なので、多くの方がこの花の名前をご存知である。
     林下のやや暗い日陰に咲く白い花には気づくが、春に黒紫色に熟す果実は目立たなく気がつかないことが多い。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ヤツデ2

花序

花

果実