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- 科名・属名 :
ウマノスズクサ科 カンアオイ属 注.APG分類では、属名(Asarum)
- 特徴 :
葉は卵状長楕円形や狭長楕円形で、長さ5〜8cmの多年草。
葉の先は鋭頭、基部は心形かやや重なる。表面は光沢がなく、雲紋があり、葉脈は窪まない。
花は淡紅紫色〜淡紫褐色で赤紫色や紫褐色の斑点があり、萼筒は13〜16mmと細長く、中央部でくびれて俵状になり、萼筒基部も少し括れる。萼筒開口部は小さく、萼筒内部は白色〜白紅色の格子状の隆起が縦では9〜12、横では2〜5あるが、上部では消える場合もある。萼裂片は三角形で斜開し、萼筒より短く先は尖り少し反る。
雄しべは12、花柱は6個。
- 分布・生育地 :
本州(三重県南部) (国外:日本固有) 山地林下
- 花期 : 12〜2月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2003年2月15日 三重県南部 中上・全体2 2017年1月27日 同 上 中中・全体3 2003年2月15日 同 上 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花1 同 上 左下・花2 2017年1月27日 同 上 右上・花内部 2003年2月15日 同 上 右下・葉 2017年1月27日 同 上
- 撮影記 :
写真どころか名前すら聞く機会の少ないカンアオイである。
しかし、写真でも判るように萼筒の中央がくびれ俵のようになった変わった花をつける。
この姿が、七福神の寿老人の頭の形に似ていることから、この和名がつけられている。
カンアオイは地面に接して咲くことや、虫の少ない秋〜春先にかけて咲く種類が多いことからなかなか分布が広がらず、非常に狭い地域にしか分布していない種が多い。
特に、紀伊半島南部は学名はつけられていない種も含め多くの種が知られているが、観賞用に採取されることが多く、この種も三重県の指定希少野生種に指定されている。
最初に出会ってから十数年後、久し振りに現地を訪れた。
現地は大分環境が変わっていて、以前数多くの株を見たあたりは全く見当たらず、やっと違う場所で久し振りに対面することができたが、株数は大幅に減少していた。
何度見ても変わった花で、いつまでもこのまま残っていて欲しいと願わざるを得なかった。
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