|
- 科名・属名 :
ウマノスズクサ科 カンアオイ属 注.APG分類では、学名(Asarum monodoriflorum)
- 特徴 :
葉長5〜8cmの多年草。
葉は卵心形で、表面は光沢のない暗緑色で縁には短毛がある。葉裏は淡紫色。
花は紫色で、萼筒は短い筒形、長さ幅とも約1cm。萼裂片は萼筒よりも大きく、萼裂片の上面に短毛が生える。口環が発達し、萼筒入口が狭くなる。雄しべは12個、雌しべは6個。
1989年に新種として発表された。
- 分布・生育地 :
沖縄(西表島) (国外:日本固有) 常緑樹林下
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
2007年4月29日 沖縄県西表島 中、下 同 上 (上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
急な山道を喘ぎ喘ぎ登る。このあたりはよくハブが出るらしいので足元は疎かにできない。木に掴まるにもヤマンギ(毒毛虫)がいないことを確かめなければならない。立ち止まって休憩を入れると、足元からヤマビルが這い上がってくる。
やっとのことで登り終え、一息入れる間も惜しんで花を探し始めた。この花は株も少ないうえに花付が悪いと聞いていたので、祈るような気持ちだった。
やっと見つけた葉を持ち上げると、葉裏は紫色で本種に間違いないが花は無い。いくつか株を見ていくと、突然岩上に花が見えた。しかも2個も花をつけている。
カンアオイは栽培されることが多く、特に分布域の狭い希少種は盗掘により壊滅状態だ。西表島にしか生育しいないこの花も栽培品でしか花を見ることがなかった。
そんな花に出会えた喜びで、登りの苦しさもすっかり忘れ存分に撮影したものの、しっかりブヨの餌食となってしまった。
変わった和名は、花がバンレイシ科Monodora属に似ていることからつけられている。
同じ科の仲間の花
|